ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座/成語

第十三計 打草驚蛇

2012年1月24日


「藪をつついて蛇を出す」はよく使われる言葉で、略して「藪蛇」である。日本での意味は「しなくてもよいことをして、面倒なことを引き起こすこと。」。ところがこれは「三十計」の中の「第十三計 打草驚蛇」から来ていることを知って驚きである。

ところが、「打草驚蛇」は具体的なやり方としては下策であって、こうしてはならないという反語になっているのだという。上策は「打草不驚蛇」つまり「藪をつついて蛇を驚かさず」ことを処理するのだそうだ。

「打草驚蛇」の本意はさらに奥深いのだという。具体的な例をあげれば、「政府、官庁の高官などをめぐる汚職事件摘発につかわれている。摘発の焦点は、高官(蛇)だ。だが、最初から蛇を追求はしない。運転手、秘書、部下、出入りの料亭、関係業者あたりをひそかにじっくり攻め、十分に“草を叩いて”包囲しておいてから、蛇そのものに迫っていく。」(島村義著「三十六計」より引用)

先般、中国の漁船が尖閣諸島で日本の巡視船に体当たりする事件があったが、これなども「第十三計 打草驚蛇」の戦術と解釈してもいいのかも知れない。つまり、尖閣諸島という草むらを叩いたらどんな蛇がでるのか、まず日本政府の出方を見てみようというわけである。

この事件が起きたとき、日本政府の中枢にいた方々の中で、これは「中国の打草驚蛇作戦」ではないかと認識した人は誰もいなかったのではないか。もし、そう認識した人が政府中枢の中にいたとしたら、政府が採った対応は全く違っていたものになった可能性もあるのだ。

しかし、日本が採ったのは全く日本的な意味の「しなくてもよいことをして、面倒なことを引き起こすこと。」がないように動いたのであった。

【註】第十三計 打草驚蛇 di4 shi2 san1 ji4 da3 cao3 jing1 she2 ディ シイ サン ジイ ダーア ツアーオ ジン シャア