ふいちゃんの中国日記

社会編/治安

露店(サクランボ)の取締り

2006年6月16日

露店販売は元来違反であると聞く。
大商新碼特購物広場の前はいつも人で混雑している。
そして各種の露店もたくさん出ている。
休日にこの前を通るとき、これらの露店が一斉に店仕舞いをするところに出くわしたことがある。
この露店商人たちの目の方向をたどるとそこには1台の公安の車が停まっている。

ところが地元の露天商も案外知らないようだが、このような公安は実はこのような露店は取り締まりの対象外なのである。
現に、一斉にあっという間にいなくなった露天商を尻目に今ぞとばかりにサクランボを堂々と売っている露天商もいる。
実情を知っているからである。

一般の公安は社会の治安を管理している。
具体的にいうと、スリや泥棒を捕まえたり、暴力犯罪人を捕まえたりうる仕事である。
だから、露天商は取り締まりの対象外なのである。
一方、城市執法管理を担当している公安は都市の面貌を管理している。
すなわち、街道沿いで物を売っている露天商や、壁に貼られたチラシや落書きなどを取り締まっている。

日本からの客人と夕食をしての帰り道にサクランボを自転車に積んだカゴにいれて歩きながら移動しているおばさんに出会った。
じつはそのすぐ横に3人の制服姿があったのだが、ぜんぜん気にもすることなく、「あっ、サクランボだ。買おう、買おう。」と日本語で言いながら追いかけていったのである。

値段を聞くと1斤10元というので、では1斤を買うと言ったのだが、そのおばさんは遠ざかっていく3人連れのほうを盛んに気にして、量ろうとする手がサクランボへ伸びるのだが、すぐ引っ込めてまた3人連れをチラチラと見ている。

そこでようやくわたしたちも気がついて、あの3人連れは公安かと聞くと、そうだという。
けっきょく、わたしたちも買うのを止めて帰路についた。
そうしたら、あの3人組みが戻ってきているではないか。
よくみると3人とも同じ地味な黒っぽい感じの服装で、やはり公安らしい雰囲気がある。

すれ違ってから何気なく振り返ったら、1人の公安も後ろを振り返ってきた。
そしてわたしの視線とバッチリ合ってしまったのだ。
こちらがさっきの公安の3人連れだと思ったように、向こうもさっきの2人連れと思ったのであろう。
すっと視線をずらしてそ知らぬ格好で歩いて遠ざかったのだが、もし、気がつかずにサクランボを買っているところに踏み込まれたら、どういう扱いをされたのであろうか。