ふいちゃんの中国日記

社会編/治安

年末は物騒

2005年12月3日

 今も節季払いが残っている中国では年末はなにかと忙しいようだ。中国人にとって新年とは「春節」で、日本でいう旧正月である。わたしの小さいころはこの旧正月も餅をついて祝ったものだがそのうち旧正月は年中行事からほとんど姿を消してしまった。ことしは1月29日と聞く。遠くへ出稼ぎに行っている人々や外地で一旗揚げた人たちが故郷へ帰ってくるのでこの季節は中国全体で人々の大移動が始まる。
 田舎へ帰るのに手ぶらでは帰れない。つまりそれなりに金がいる。最近の中国の経済発展は目覚しいが、その陰で貧富の差がますます増大しているのはよく指摘されるところである。故郷へ帰るための金がいるのに手元不如意のとき、手っ取り早いのが人の金をいただく方法である。つまり強盗かっぱらい。そういう状況は中国人自身もよく理解していて、治安がいいと言われている大連開発区でも夜は気をつけろ、人通りが少ないところは通るなと「おふれ」がでた。
 一見して日本人とわかるような服装は気をつけろ、着ているものもあまり上等のものは着ないほうがよい、腕時計はいいのをしていると危ない、等々である。一般的に日本人は金を持っている、着ているものがよいのは金があるからということで狙われやすい。腕時計は簡単に取られやすいといった理由である。春節までにまだ2ヶ月もあるのにこういう風潮がはびこっているということは経済発展から取り残された層の不満が底流に大きな流れとなって渦巻いているということを示唆している。そしてそういう雰囲気を敏感に感じ取っている金持ち層がいるということなのであろう。