ふいちゃんの中国日記

観光編/丹東

小型高速艇で訪問

2006年6月25日

国境の川は通常中央が国境になっている筈。
だから、半分から相手側に入れば越境になる。
だが、別に中央に線を引いているわけでもなく、友好関係にある場合は双方とも多少は大目に見ているようだ。
つまりグレーゾーンがある。
しかし、あきらかにグレーゾーンをはみ出た場合は問題になるだろう。
だから一般の遊覧船はほぼ川の中央にまでしか行かない。

ところが小型高速艇は北朝鮮のすぐそばまで行けるという。
つまり、越境である。
岸辺には銃を持った警備兵がいる。
多少の不安はあったが朱色の救命胴衣を着けて小型高速艇に乗った。
条件はただ一つ。
写真を撮ってはいけないということ。

対岸までは高速で進み、岸まで10mくらいのところまで来るとスピードを落としてゆっくりと進む。
岸辺には木造や鋼鉄製の船がつながれている。
塗装は剥げてもう何年も塗り替えられていない印象で、なかには傾いている船もある。
これらの船で生活している人々がいることが干してある洗濯物や船上でこちらを見ている人々から知ることができる。

係留されている船の2mくらいの距離まで近づき、北朝鮮の人々へ「你好!」と言ったり、互いに手を振ったりした。
だれもが友好的な態度で敵意は全く感じられない。
こちらが手を振ると彼らも手を振って応えてくれる。
若い女性がいると、みんなが一斉に一際大声をあげて手を振ると彼女も笑顔で手を振ってくれる。
男の子供たちは上半身裸で網を持って魚を獲っていたりしている。

警備兵がいるが、われわれが近づくと背を向けて向こうへ歩いていく。
ここには緊張感など何もありゃしない。
痩せこけている人など誰もいない。
この地域は「ごく普通の場所という」特殊な地域なのか。
少なくとも日本のテレビが伝えているような緊迫感は全くない。