ふいちゃんの中国日記

生活編/衣食住

食事会

2006年12月12日

寮に住んでいる娘さんたちは、会社の食堂の夕食がおいしくないから、カップラーメンをよく食べているなどと聞くので、管理部門の4人に栄養をつけさせようとしてご馳走することにした。

そうしたら一人が、それでは私たちがわたしのアパートで料理を作るから、わたしのアパートで食事会をやろうということになった。予定のメニューをもってきたので見ると、8種類の料理と5種類の果物、ジュースがあって予算は300元となっていた。外食宴会してもビールなども含めて一人当たり50元が相場だから、一人当たり60元とは安くないが、「よし、やろう」と買出し費用300元を渡した。
連休を控えた金曜日の夕方、5時半からわたしのアパートで料理作りが始まった。

0.7坪ほどしかない台所で4人が一斉に手分けして作りだすと、いかにもギューギューといった感じである。

皆、真剣に作っている。

ふーむ、仕事もこの程度真剣にやるともっといい仕事ができるだろうな、と思いながら彼女たちの作業を見ている。

S嬢が器用に作っていく。

フライパンを水洗いしてガスコンロの上に置き、水を蒸発させてから大豆油をいれて加熱する。

ほどよい頃を見計らって、あらかじめ作っておいた卵と牡蠣の抜き身を混ぜたのをフライパンへ移す。

あとは混ぜながら全体に熱が通れば出来上がり。

なるほど、料理というのはこのようにして作るのかとこっそり学習。


次いでフライパンを水洗いして前の料理の味を消してから同じ手順を繰り返す。

今度のは大豆油に化学調味料を入れておったぞ。

そしてあらかじめ洗っておいた大型のエビを数十匹放り込んで同じように混ぜながら炒めていく。

そしてこれもあっという間に完成。

ふーむ、料理というのは以外と簡単なのだなと一人合点。

S嬢の料理の腕前は相当なものである。

わたしの料理方法は「すべて煮る」だからこのような料理方法が非常に新鮮に映る。



こんどはK嬢が作り出した。

なかなか手つきがいい。

聞くと寮に入って2年になるのでこのところぜんぜん料理を作っていないという。

入れる塩の量加減、化学調味料の取り方など、なかなか慣れた手つきである。


一方、Q嬢はあと半年ほどで結婚するという割りには料理ができないようだ。

ジャガイモを切る包丁さばきがわたしよりもなっていない。

こちらはどうやら中国によくある旦那様が料理を作るようになりそうだなあ。

Q嬢は専らネギを切ったり、ジャガイモを切ったりの下ごしらえの役割に徹していた。

C嬢は自ら言うようにほとんど料理ができないと見る。
ジャガイモの皮を剥く手つきがなんとも覚束ない。
専用の皮剥き器で普通は手前に引いて剥くのに、なぜか向こう側へ引いている。
いかにも作業がしづらそうだが、わたしも何も言わずに観察。
C嬢は4人の中で一番年上なのだが、出来上がった料理を隣の部屋に運ぶのがその役割であった。
C嬢は結婚したらまちがいなく旦那様が料理を作るようになるだろうと確信。
こうして4人がそれぞれ自然に役割分担の結果、1時間半ですべての料理ができあがり、皿盛りも終って食事会がスタート。
味はなかなかのもの。
塩辛さもなく油が多すぎることもなく、日本人にあった味付けでおいしかった。

酒は飲めないということであったが、どうしてどうして。
ウイスキーは飲む、焼酎は飲むで、S嬢がこんなに飲めるとは知らなかったぞ。
北方の女は酒が強いとは聞いていたが噂にたがわず、わたしよりも強いくらいだ。
C嬢はウイスキーをストレートで小グラス4杯と焼酎もストレートで3杯飲んだが全然酔いが顔に出てこない。
飲めば飲むほど顔に白みが増してくるタイプのようだ。

これに対してQ嬢は段々と顔、とくにほっぺの赤みが増してきて、いかにも酒がまわってきたといった様子で、見ているとなかなか可愛らしくなってくる。
本人も饒舌になってきて、だんだんいい気分になってきたと言っている。
お酒を飲むならこういうタイプと飲むほうが楽しいかな。

C嬢は顔の表情は変わらないもののほっぺに手を当てるとかなりほかほかになっており、それなりに酔いがまわっているようだった。

K嬢は顔に赤みはないが、これまたほっぺがかなり熱くなっている。
しかし、K嬢は手が逆に冷たくなっており、わたしのほっぺを触われたとき、その冷たさにびっくりするほどであった。

酒を飲みながらの2時間の食事会はあっという間に終った。
皆よく食べ、よくしゃべり、よく飲む。
カップラーメンをしょっちゅう食べているという話の割りには健康そのもので、これならまあ心配することはないなと一安心。

こういう食事会を定期的にやろうということでお開きとなった。