ふいちゃんの中国日記

文化編/伝統・風習

算命

2007年8月26日

日本では「当たるも八卦、当たらぬも八卦」といわれるようにこの“八卦”こそ中国語の「運命の占い」という意味である。中国語では占いは一般に“算命”と呼ばれる(小学館:日中辞典)。

道端で果物や衣類を売っているのと同じように大連開発区黄海西路の1部分にたくさんの易者が特に天気のいい春や秋の休日には20mくらいの距離に5〜6人が店を構える場所がある。電車の開発区駅のすぐそばに見慣れないタイプの易者が店開きしていた。

占い師は女で、占い料は10元。ぱかっと大股開きした前にバッグがあって、ちょうどフンドシの前垂れのような効用があって前を隠しているので卑猥感はない。その前に置かれた白布には36群の苗字が入っていて、各々の群には通し番号が書かれている。そして1つの群にはそれぞれ18個の苗字が入っている。つまり合計で648個の苗字である。中国では人口は多いけど苗字は少なく、220〜230個で99%網羅されていると聞く。

占いをみてもらう人は、まず自分の苗字がどの番号の群に入っているかを言う。すると右手の5本の指の合計寸法を測ってから、おもむろに例のバッグから195mm×95mmの紙切れを取りだす。じつはこのバッグの中身はこの紙切れが300枚くらいは入っていさそうな大事な商売道具が入っているのである。

苗字の群の番号と右手の指の合計寸法から何かを割り出し、占い結果を示す紙切れを取りだして客に渡す。そしてこの紙切れに書いてあることを中心に詳細な説明をするのである。いかにもインチキくさいのであるがよく当たるという評判である。

まず苗字を当てられるというから、見てもらう人はこの段階で驚いてすっかり信用してしまうことになる。そして現在の性格は95%以上当たるという。後半部は未来のことを書いているのであるが、前半部の信用度が大きく、客はすっかり信用してしまうことになる。占いの結果を信用する、しないは個人の自由である。
占い結果:この生命は生まれつき性格が明るく、細かいことにこだわらない、話しぶりはよく、勇敢で粘り強い。自分が平凡でないことを自負している。思ったことは行い、意志は強靭である。聡明で、人に接するに正直である。何事も熱心で、将来志向は遠大である。終始一貫している。もし、身分の高い人が協力してくれるなら必ず官吏登用の運がある。中年(35歳)で金運がよくなる。金も多く入るが事故(もめごと)も多い。事件が起きても余地を残す。話をするにしても口半分に慎むこと。そうすれば53歳以降は一生栄耀栄華を極めることができる。結婚する相手とはうまくいく。第2子があなたを見届けてくれる。寿命は79歳。

【註】
八卦 bagua バーグア 運命を占う
算命 suanming スアンミン 運命を占う