ふいちゃんの中国日記

仕事編

ISO9001審査機関

2007年9月24日

中国のISO9001審査機関はいかにも中国式といえる。

1)まず、1ヶ月前に日程を決めていたにも拘らず前日になっても何の連絡もない。それでこちらから連絡したら、北京から大連へ行く汽車の乗車券が満席で買えない。だから飛行機代を負担してくれれば行くという。担当者があわててやってきた。「馬鹿いうな。1ヶ月も前から決まっているのに切符が買えないわけがないだろう。手配ミスだったら自分で買って来い」と返事をさせた。

2)30分ほどして電話がはいった。瀋陽から1人、大連市内から2人合計3人行くから大連駅まで迎えに来い。そして開発区のホテルまで送って、夕食をご馳走すること、そしてホテル代を負担してくれれば行くという。

3)ばかばかしい話だが、ここは中国。とりあえずそれは飲んだ。

4)第一日目。昼食は当然こちら持ちとしても、夕食もごちそうしろとの請求である。しかも工場を出る前に工場の担当者が重い資料を運んできたので「何をするのだ」と聞いたら審査員たちが夜ホテルでレポートを書くのでホテルまで持ち帰るという。

5)ばかを言うでない。会社の正式資料を社外に勝手に持ち出すなど禁止だ。要求する審査員も審査員だが、何の疑いもなく正式資料を持ち出すことに同意するうちの事務職員も非常におかしい。

6)ダメだと停めさせたら「それでは工場の会議室を貸してくれというので同意した。しかし、勝手に居させるわけにはいかないので結局、近くに住んでいる女子事務職員を二人残してお茶のサービスと監視役をさせるハメになってしまった。

7)審査は終了した。実際は数項目指摘があったが、記録上は指摘事項はたったの1項目であった。主任審査員たちの態度にはホテル代や夜の会食などを不当に請求しているなどの後ろめたさはまったく感じさせない。評価の中に我々の工場はISO9001活動にまじめに取り組んでいるというのがあった。

8)まじめに取り組んでいることが評価されるなど日本人からみるとおかしなことだが、これはどういうことかというとつまり、中国のISO9001は金で買えるということで、もっとはっきりいえばまともにISO9001活動をしているところが少ないということを言外に含んでいる。現実に菓子を作っているある工場は実際には何の活動ももやっていないのにちゃんとISO9001を取得している。つまり金で買ったのである。

9)いかにも賄賂の横行している中国ならではの話である。わが工場は次回の更新審査時は審査機関を変更してまともなところを選ぶつもりである。