ふいちゃんの中国日記

仕事編

少了誰、地球照様転

2007年8月13日

中国では人流は日常化している。今より少しでも高い給料の会社があればあっさりと移っていく。会社への帰属意識などというのはまずないであろう。仕事の地位を利用して自分のために利殖をすることはあっても、会社のためになどという意識はさらにないであろう。

だから会社を辞めるとなったら、たとえ部長級の人でも「唯恐天下不乱」とばかりの行動に出るのがいる。日本人のように「立つ鳥跡を濁さず」などの考えは毛頭なく、むしろ逆で、困ればいいさ、困らしてやろうなどというのが多い

ひどいのは引継ぎもしないでバタッと来なくなってしまう輩もいる。人の出入りが激しいから、日本のように社内教育でじっくり人を育てるとか、ましてや社外教育などの投資はせっかく教育投資してもすぐにいなくなってしまうのだからと、ばからしくてやるところはほとんどない。

日本と同じように、辞めてほしい人はなかなか辞めないが、辞めてほしくない人はあっさりと辞めていく。つい最近もある人が辞表を提出してきた。この人は辞めてほしくないグループに属する人である。

中国には日本では聞かないいろいろな表現があって、この“少了誰、地球照様転”もそのひとつといえる。つまり辞めていく人の頭の中には「私が辞めたって、地球はいつものように回っているさ」。つまり私の辞職は地球の自転に影響ないように、会社の運営にとってもなんの影響もないさ。」という考えである。

これは怒って辞めるときのセリフである。この人は今朝ある人に罵られてえらく腹が立ったようだ。辞める理由を聞いてわかったのだが、あきらかに罵ったほうがまちがっている。こういう社内のスタッフ間で日常的に発生する矛盾を解決するのもわたしの重要な仕事のひとつになっている。

【註】
少了誰、地球照様転 shao le shei diqiu zhaoyang zhuan 
シャオ ラ シェイ、ディチユウ ジャオヤン ジュアン
誰か少なくなっても、地球はいつものように廻る