ふいちゃんの中国日記

生活編/衣食住

水

2005年 10月 16日

 中国では生水は禁物といわれている。
だから一般に日本のようなサシミなどはない。しかし、例外は必ずあるもので、大連がそれである。大連ではサシミはどこでも食べられる。水がいいことと海があって魚が新鮮であることがその条件を満たしているのであろう。大連で何度もサシミを食べたが一度も食あたりなどしたことはない。
 工場の中央にバスケットコートがある。その近くに水道の蛇口があって、夏など昼休みに蛇口のそばを通るときその水を直接飲んでいる従業員をよくみかけた。不思議に思って社長に聞いてみたら、なんとその水は井戸水で、しかも分析結果によるとミネラルウォーターとして売れるくらいおいしい水だというのだ。わたしたちの工場で使っている水もじつはその水なのだという。さすがにその水を飲む勇気はなかったが、昼食のあと事務所への帰り際に油でヌルヌルした手をよく洗った。冷たく口に含むと気持ちがよかった。
 その井戸水が断水した。連絡などはなにもない。ただ、出ないという事実で断水を知る。まる二日過ぎ、三日目になっても水は出そうにない。まず飲み水がないので事務所の人がミネラルウォーターを確保してくれた。トイレも当然水はでない。
 管轄のところへクレームをつけたら、「井戸が壊れた」という。井戸が壊れたとはどういうことか意味不明なのでよく聞くと、井戸の中に砂が流れてきて水のくみ上げができなくなったということがわかった。「井戸はどこか」と聞くと、なんとバスケットコートの近くにあることがわかったので早速帰りに寄ってみた。何人かがその井戸の周りを囲んでいる。聞いてみたら、午後にはなおるというので安心していたのだが、夜になっても水はでなかった。四日目も全くでず、結局水がでるようになったのは五日目の夕方であった。
 中国では担当者から「問題ない」、「すぐなおる」などという言葉がでるときは「なにか問題があるな」、「大分時間がかりそうだな」といろいろ想定しておいたほうが賢明であることを経験上知っている。
 わたしが知っている、中国でサシミが食べられるところはもう一箇所あって、それは広東省の「汕頭」から広州寄りに車で約2時間のところにある「汕尾」である。ほかにもまだあるかも知れない。