ふいちゃんの中国日記

社会編/時事

地震発生のデマ

2008年6月3日

中国では地震などないと思っていた人々にとって、四川大地震は大きな衝撃であったに違いない。成都市の建築物に被害らしい被害がなかった最大の理由は現在の耐震規格6.2級の基準が守られていたからだと言われている。

実際はこれを上回る7.8級だったようだが、物事にはすべて安全係数というものがある。基準が6.2だから6.2を超過するとごっそり倒壊するというものでもない。但し、ものすごい揺れだったそうである。

ゴーンゴーンという大きな地鳴りと揺れで、わたしの友人たちも“これで私は死ぬかもしれない”と恐怖に襲われたそうである。幸い耐震構造だったので建物は崩壊することはなくけがをすることもなかった。

そんな背景があったせいか、今日(2008年6月3日)の大連開発区は夜の9時〜10時の間に大地震が発生するというデマが飛び交い、昼間多くの人々がミネラルウオーターと食糧を大量に買い求めていたということである。

地震の予測などできるものかと確信していても、いざそういうデマを耳にするとなぜか不安心理にとらわれてしまう。いつ地震が発生しても逃げられるように夜の9時近くになるとスリッパから運動靴に履き替えて部屋にじっとしている自分に気がつくのである。

部屋のキーと財布をズボンのポケットに入れ、入り口のドアも簡易ロックだけですぐ手で開けられるようにしておく。こうして一応緊急避難ができる準備だけはしているのだから、滑稽と言えば滑稽だが、人間の心理は微妙である。

幸い、これは完全なデマであった。