ふいちゃんの中国日記

文化編/伝統・風習

文身

2008年9月14日

文身(wen2 shen1 ウエン シェン)は“刺青”のことである。辞典にはこの“文身”のみあるが、大連開発区の路上では“紋身”が使われている。しかし、これは本当の刺青ではなく、“遊び”である。

まず通りすがりの人々の気を引く為にいろいろな模様の見本が広げられている。だが、実際に声をかけるとファイルを持ち出して、“どれがいいか”と客に選ばせるのである。客が選ぶと腕なら腕に置いて見せて“具体的にこうなります”と再確認させる。客の同意が得られると一種の墨を塗る。写真の透明部分から墨が皮膚に付く。料金は10元(約155円)。

原理はガリ板印刷と同じ。元々こういう技術が古来からあって、それを工業的に発展させて寸法精度や外観を確保して量産性を確立したのがシルクスクリ−ン印刷であろう。

残念なことにこの”ニセ刺青“は一度風呂に入ったら消えてしまう。”遊び“とは言え、もう少し耐久性があってほしいというのが利用者の本音であろう。だから、こういう”遊び“でも技術改善の余地はあるわけで、風呂に入っても1週間くらいは消えない墨が開発されたら、けっこういい商売になるのではないかと思うのである。

本当の刺青はこの商売をやっている人に聞けば連絡先を教えてくれるそうだ。