ふいちゃんの中国日記

仕事編

鋼材値上がり転嫁認めず

2008年12月8日

このところ、原油の値下がりに伴ってか、金属材料も値下がりしている。ある日本のメーカーA社が半年ほど前、鋼材の値上がりにより赤字商品となったある製品の値上げ申請をしてきたが、客先の購買担当者が頑として受け付けない。

止むを得ず、A社は製品の供給を断念せざるを得なかった。この製品はA社が中国で、B社は日本で生産しており、A社が70%のシェアを占めていた。A社の製品は中国で作っているから日本よりはるかに安くできているはずだというのが客先購買担当者の読みであったのかもしれない。

客先購買担当者は困って、B社へ10割の注文をした。B社は生産能力がないから困って内緒でA社へ委託生産をすることになった。B社の価格はA社よりかなり高かったようで、結果としてA社は鋼材値上げ分を加味した価格以上の売価になり、B社は7割分の利ざやを稼ぐことができて、A社、B社ともに従来通りの生産情況なのに売上げ・利益が上がって「よかった、よかった」ということになったというのである。

馬鹿をみたのは客先である。客先購買担当者はその部品の購入価格が騰がった原因を上司にどう報告しているのかは知りようがないが、一番の馬鹿は客先購買担当者だと影で笑われている。

じつは、A社のその製品はどこでも簡単に作れるような製品ではなかったのである。購買担当者はその商品の独自性の評価ができていなかったのがこういう結果になったのであろう。