ふいちゃんの中国日記

社会編/公共

交通ルールとは何か

2008年12月23日

大連では交通ルールを守る人は少ない。これは中国全体に共通しているとみてよさそうである。人も車もである

だから、わたしは大連では危険を感じて自分で車を運転する気にはなれない。歩行者が信号を無視して、赤信号で横断歩道を渡っていたが、車の数が多くて渡りきれない。そこで道路の中央で立ち止まって車が通り過ぎるのを待っている。日本人のわたしから見ると非常に危険に見えるのだが、こちらの人はそういう危険意識はないようである。

車も心得たもので、そういう情況は日常的に発生しているから立ち止まっている歩行者をはねたりすることはまずない。

だが、日本では事情がちがう。信頼の原則が確立している日本では、そういう信号無視して横断歩道を渡る人はふつういないから、車もそんな所に人が立ち止まっているなどという意識はほとんどないのではないか。

交通ルールの信頼の原則が確立していない中国で育った人が日本へ来たときに問題が発生しやすい。中国人にとっては信号無視して横断歩道を渡るのは日常的なことだから、日本へ来てもつい同じことをしてしまうことになる。

しかし、日本人は青で進行しているときに、赤信号を無視して歩行者が横断歩道を渡っているという意識はほとんどないのではないか。

ある日系企業で勤める優秀な中国人女性が、選ばれて日本の親会社へ研修に行った。ところが不幸にも前述の状況下で交差点のなかでダンプにはねられて亡くなってしまった。その女性からみれば、ダンプにはねられるなど考えてもみなかったことであろう。

いくら歩行者に落ち度があると言っても、前方不注意のダンプの罪は重い。結果として一億円近い多額の保険金が遺族に支払われた。この亡くなった女性はまだ30代でご主人と子供が一人いたそうだが、中国の貨幣価値に換算するとあまりの高額の保険金のために残された家族、親戚の間で保険金の分捕り合戦が始まってしまい、収拾するのに一苦労があったそうである。