ふいちゃんの中国日記

仕事編

精密

2009年4月28日

あるお客様が工場見学に来た。日本の会社を定年退職して最近中国系企業へ入社したばかりだという。

「わが社は精密な金型を必要としております。御社は作れますか。」と何度も聞くので、そこで私は尋ねた。

「具体的にはどの程度の精度が必要なのですか。」
「±0.1です。」
「えっ。」
「±0.1です。」
「はあ、それであれば全く問題ありません。」

わたし達の会社では±0.1の精度は精密とは言わないから、1000分台の要求でもあるのかと思っていたので一気に拍子抜けしてしまった。

わたし達の会社では製品で±0.02の寸法精度の製品を生産している。金型だけの寸法精度で言えば、1000分台で保証するのはさしてむずかしいことではないが、プラスチック成形品で±0.02を保証するのは簡単なことではない。

成形時は100℃とか150℃とかに加熱して流動性をもたせてから金型内へ流し込むので離型後温度が室温まで下がってくると体積収縮を起こし、寸法が縮むからである。

特に形状が対称でない場合は収縮の度合いが違ってくるからそれなりのノウハウが必要となる。