ふいちゃんの中国日記

生活編/商品情報

練り歯磨きチューブ

2006年2月6日

 中国ではテレビで宣伝している商品はいい商品だと思っている人が多い。しかし、この製品は非常によろしいから宣伝してもよいなどと、お墨付きを与える公的機関があるとは聞いたことがないから、宣伝と品質とはあまり関係がないはずであるが、まったく知らない商品より、テレビでみて知っている商品のほうについ手が伸びるのはいたし方ないことなのかもしれない。
 日本でも盛んに宣伝されているP&Gは中国でもよく宣伝されている。P&Gと似たような商品を販売していて、これもよくテレビで宣伝している「田七」という会社がある。その商品のひとつにプラスチックチューブ入り練り歯磨きがある。じつをいうとわたしもどれがいいかわからなくてテレビで宣伝しているこの「田七」のを買ったのである。
 この商品の欠点はすぐに現れた。1週間くらいで蓋がきちんと閉まらなくなったのである。蓋のサイズと練り歯磨き出口のサイズが明らかに違っている。当初は強く押し込めば蓋が納まったのだが最近はいくら力をいれて押し込もうとしても全く入らない。収縮による寸法変化が原因と思う。ではなぜ成形後の寸法が大幅に変化してしまったのか。成形条件とか材料の縮率とかのノウハウが不足しているのであろうと推測している。
 大連はこのところ連日最高気温マイナスの日が続いている。わたしが退院した2月3日は最高気温マイナス8度、最低気温マイナス18度だった。外を歩くと耳が凍傷になるのではないかと思うほどの痛さがあり、皮手袋をはめた手で耳を覆わないと我慢できない寒さであった。空気中の水分が凍るのであろう、湿度が低い。この「田七」のチューブの蓋ができないものだから、たったの1日で出口付近の歯磨きが3mmほど乾燥して硬くなってしまう。むりやり時間をかけてやわらかくして使っているが、休みが2日はいるともういけない。硬くなりすぎて捨てるしかない。
 テレビで宣伝しているから、その品質もよいだろうなどと決して甘く考えてはいけない。しかし、こういう蓋が閉まらないなどという製品は決してリピート買いが入らないであろうから売上げがそう伸びるとは思えない。仮に品質改善されて、蓋がキチンと閉まる商品に生まれ変わったとしても、ほかにもたくさんの銘柄があるなかで「田七」をふたたび買いたいと思うことはまずないであろう。日用消耗品であるのだからリピート買いが入ってこそ宣伝の意味もあろうというもの。ちょっとしたノウハウだろうと思われるが、このちょっとした差で製品の使い勝ってよさが違ってくる。

【註】
田七 tianqi ティエンチー 田七(会社の名前、商品の名前)