ふいちゃんの中国日記

仕事編

春節前の現物ボーナス

2006年2月11日

 春節休暇の直前に、噂に聞いていた魚のボーナスが出ていた。このとき、わたしは病院の中にいたので知らなかったのだが、2月3日に退院して2月5日から出勤してとき知らされた。わたしの分も確保してあるから「いつ持ち帰るか」と聞かれたので、早速その日に持ち帰ることにした。
どこにあるかと聞くと、外に置いてあるという。外で大丈夫なのかと聞くと、外が一番いいという。なぜなら、このところ最高気温マイナス5度前後、最低気温マイナス18度前後の日が続いている大連では家の中より、外の天然冷凍庫での保存が最適なのだと説明されて、なるほどと大連の外気温の寒さを再認識する。
 現物ボーナスは、魚が大きさ25cmほどの“黄魚”4匹と同じく25cmほどのカレー3匹、さらに3Lの大豆油。ダンボール箱を開けると、魚はコチコチに凍っていた。黄魚はこれまでにもなんどか食べたことがあり、外観が黄色を帯びており、なかなかおいいしい魚である。わたしとしては日本では見たことがない。大連の特産と言われていて、今は天然ものより養殖ものが量的には多いといわれている。カレーは担当の女の子に言わせると、“小嘴魚”(口の小さな魚)ということであったが、見てみればなんのことはない普通の「カレー」であった。両方とも煮付けにして食べたが、わたしとしては“黄魚”のほうが好みである。
 大豆油はこれも外のマイナス温度に置かれていたので白く凍っていた。家の中においておけばすぐに溶解してさらさらしたクリアな飴色に戻るからといわれたが、果たして2日ほどで気がつけばいつもの見慣れた色に戻っていた。
 中国で現物ボーナス支給は昔の国有企業の名残と言われている。国有企業は大半が整理されてなくなったがその習慣が残っている。大連市に進出している日系企業の中にはこの日本にはない中国特有の習慣を取り入れている会社もあれば全く採用していない会社もあり、状況はマチマチである。こういった実態は日本商工会の加盟会社間でもかなり情報交換されているようで、現物支給の変わりに福利厚生費で現金支給へ切替を検討しているところもあるようだ。  わたしの勤める会社は昨年8月からの半年間で月餅、大豆油、りんご、魚・大豆油と4回の現物ボーナスが出たが、会社によっては毎月、石鹸、タオル、生理用品が支給されているところもある。支給される側としては嬉しいものだが、将来この現物ボーナスが消滅するのか、継続されるのか、はたまた別の形に姿を変えるのかはっきりしない。わたしの予感としては中国全体で物資がもっと豊富になり、さらに生活水準が上がってくると現物支給から例えば福利厚生費のような現金化の方向へ進むのではないかと思う。

 【註】
   黄魚 huang yu フアン ユウ (魚の名前)
   小嘴魚 xiao zui yu シアオ ズイイ ユウ (口の小さい魚)カレー