ふいちゃんの中国日記

上海の浦東空港はとても広い。わたし達が乗った飛行機は着陸してからおよそ１５分走る。ちょうど成田空港で着陸してから第二ターミナルへ向かう飛行機によく似ている。

とつぜん、わたしの６〜７列後ろから女の子のおおきな声が聞こえてきた。

「小便！ xiao3 bian4 シアオ ビエン オシッコ！」

聞き取れないが母親が女の子になにか言っている。きっと「もうすぐ降りるから我慢しなさい。」というようなことを言ったのではないかと思う。すると女の子が、

「来不及了！lai2 bu・ji2 le・ライ ブ ジイ ラ！間に合わない！」

とこれまた飛行機の乗客全員が聞こえるくらいの大声で叫ぶ。そして、一人でわたしの横を通って前の方のトイレへ向かって行った。母親も仕方ないといった感じで、少し経ってから後を追う。

すると男の服務員があわてて後ろの方から大股でやってきて、トイレの鍵を開けている。しばらくしてトイレから出てきた小学２年生くらいの女の子は軽快な足取りでわたしの横を通り過ぎて元の座席の方へ戻っていった。

子供ってほんとうに正直だなと思う。あの切羽詰った叫びが服務員を動かしたのだ。