ふいちゃんの中国日記

生活編/健康

手術

2006年2月17日

 執刀医は院長。この院長は大連市では“第一刀”と呼ばれているそうで、痔の手術では第一人者だという。同じの病院の看護婦がそういうのだから、あてにならないと言えばあてにならないのだが、実際のところ世間の評判はそうらしい。この院長は少し日本語を話す。
 まず下半身の麻酔から始まった。脊髄のところに6〜8箇所麻酔が打たれる。姿勢は仰向けになり、両足を開いて台の上に乗せる例のスタイル。麻酔の効き具合を確かめながら手術が始まった。睾丸が垂れてきて手術の邪魔になるので手で上方向へ引き上げて置くようにとの注文が入った。だからわたしは手術の間、ずうっと右手で自分の睾丸を支えていたのである。
 痛みは全くない。3人の医師が1組で、一人は常にわたしの顔のそばにいてなんやかやと話しかけてくる。返事をしながらも、男の場合はこうやって右手で支えておけばよいが女の場合はどうするのだろう、まさか手で覆っているわけではあるまいに、そうだきっと布着れかなにかをちょこっと置いて見えないようにして手術をするのに違いないなどと、とりとめもないことを考えたりしているうちに眠っていたりする。するとそばにいる医者がわたしに話しかけてきて目が醒める。そうこうしているうちに定期的に左腕に巻かれた血圧計に圧力がかかってきて測定しているなとわかる。少なくともわたしは3回、手術中に居眠りしている。
 手術が終って出血しないように手当てをしたところで、院長がじつにいいタイミングで「成功しました!」と日本語でいうので、わたしが思わず「成功了!」と中国語でいう。するとわたしになにかと話しかけていた医師が「成功了!は日本語で何という」と聞いてくるので「成功しました!」と説明したところで手術室をでる。この医師はじつは日本語を勉強していて半年になるのだという。いずれどこかでこのセリフを使うつもりなのであろう。
 手術が終って病室へ戻ったのが15時だったからちょうど1時間の手術。痔の手術としては長いほうだそうだ。通常は20〜30分とのこと。それから、ベッドに横たわって4時間は身動きしてはならない、4時間から6時間のあいだは少しの寝返りは構わない、という大苦行が始まる。

 【註】
   第一刀 di yi dao ディイーダオ 手術の第一人者
   成功了 chenggong le チョンゴン ラ 成功した