ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

海千山千

2009年10月9日

「あの親仁は海千山千だからな」などと影でささやかれる。「あの親仁」とは協力工場の社長だったり、親会社の担当責任者だったりといろいろである。
経験が深く物事を熟知している協力工場の老練社長の場合は、親会社の若い担当者を手玉にとってなかなかいうことを聞かない。会社へ戻ってきて上司へ報告する。「すんなりうんといかないのですよ。」「うん、あの親仁は海千山千だからな。」

親会社の担当責任者の場合は、出だしは穏やかだが、やがては恫喝的な言い方をしてでも自分の要求を飲まそうとする。またあるときは、知らすべきことを意図的に言わないで結果として相手を騙してしまう、等々である。そういう手法を見ていると「ああ、この人はすうっとこういうやり方で物事を処理して来たのだろうな」ということがわかる。

しかし、嘘は必ずと言っていいほどばれるものである。すぐばれるか、1年後にばれるか、3年後にばれるかなどの時間的な差はあるものの。

「海千山千」はカシオの電子辞典によると「世の中のあらゆる経験を積んでいて悪賢い人」とある。中国でもまったく同じ言い方があって、「老江湖」あるいは「老姦巨猾」と表現される。

【註】
老江湖 lao3 jiang1 hu・ ラーオ ジアン フ(長年世間を渡り歩いてきた)世慣れた人
老姦巨猾 lao3 jian1 ju4 hua2 ラーオ ジエン ジュー フア
(成語)狡猾きわまる。海千山千。