ふいちゃんの中国日記

仕事編

A社の購買戦術

2009年11月24日

初めて営業に訪れるP社の人に向かって「いやあ、すごいね、御社は。いまの1/3の値段だよ。」と喜ばす。真に受けた営業マンはこれはいけるぞと早合点していろいろと日本の関連会社へ出張して調査やその他の資料を準備してA社へ提出する。

しかし、いくら待っても返事がないので、「あの件はどうなりましたか。」と尋ねると「ああ、あの件ね、あれは既存の業者が御社の値段で対応できたのでもういいですよ。」とあっさりと断わられる。

また、別の業種のQ社の人がA社を訪問すると「いやあ、すごいね、御社は。いまの1/3の値段だよ。」と同じ展開が始まるのだという。そして最終的には「ああ、あの件ね、あれは既存の業者が御社の値段で対応できたのでもういいですよ。」とあっさりと断わられる。

大連開発区は広いようで狭い。こういう情報は知らず知らずのうちに多くの人が知るようになる。そして今やA社は「日本人の購買担当者が業者と完全癒着している。」と囁かれている。かの国の人ならばごく当り前のことであるが、日本人スタッフでこのような人は非常に少ないのである。

「朱に染まってしまった」のであろう。だが、考えてみればいまどき価格が1/3の製品など簡単にあるわけがないのだ。