ふいちゃんの中国日記

生活編/健康

散歩

2006年2月23日

 手術の翌日から散歩するようにとの医師の勧めがあった。理由は身体を動かすことにより便秘を防ぐのだという。だから、手術の翌日午後には歩いていた。痛みはないが、歩き方はぎこちなく背筋をピンと伸ばして歩くと言うわけにはいかない。のっそりのっそりとそれでも20分散歩した。この散歩はその後、毎日続けた。長いときは1時間近く、短いときは20分くらい。
 散歩していて気づいた。当初6人入院していのに、患者の数がだんだんと少なくなっている。そしてついに1月27日にはわたし以外はだれもいなくなった。理由は簡単だった。日本で言えば、元旦を自宅で迎えるため12月30日に退院するのと同じ理屈である。およそ1週間から10日間で退院できるから、あらかじめ入院と退院の日を計算して手術をしていたのだろう。
 だから、1月27日から退院する2月3日の8日間は貸切のような感じで、入院患者1人のために医者1人と看護婦1人が24時間詰めていたことになる。国の病院だから緊急患者のために入院患者がいてもいなくてもこの体制は崩さないのだという。
 わたしの病室は個室で、別に特別、希望したわけではなかったが結果としてそのようになっていた。ベッドが二つで、一つは付き添い用。1日の部屋代は60元で、手術費用その他一切合切で3300元だった。“押金”として3000元収めていたから不足300元だが、財布の中にはちょうど300元ほどしかなくアパートへ帰って買い物に困るなあと話していたら、ちょうど看護婦さんが入ってきて「じゃあわたしが貸してあげる」と200元貸してくれたくれたので助かった。こうして不足金の調達がついて無事退院することができた。この借りたお金は退院の翌日、薬の交換に病院へ行ったときに、たまたまその看護婦さんが当直だったので早速お礼をいって返した。
 ベッドの数は全部で22床。6人入院していたからベッド使用率は約30%。手術中に一体手術はどのくらいするのかと聞いたら、平均1日1人と言っていた割りには入院患者が少ないので中国特有のはったりかと思っていたのだが、これもどうやら春節の影響だったらしい。というのはその後、2日に1回通院治療していたのだが、2月8日ころから急に病院の中にいろいろな人の数が増え、あれっと思ったらそのときすでに4〜5人の人がすでに手術を終え、ベッドに横たわっていたのだ。手術待ちの人が、春節が終ってどっと手術したといった感じである。わたし1人が入院していたときは看護婦さんも暇そうだったが、そのころは大忙しといった様子に変わっていた。どうやら1日1人の手術というのは本当らしいと感じられた。
 わたしが急に手術が必要になって、すぐにできたのも春節という中国特有の最大行事の直前のため、手術が手控えられていて空いていたのが大きな理由だったのだろうと思う。

 【註】
   押金 yajin ヤージン デポジット(保証金)