ふいちゃんの中国日記

生活編/出来事

朋友(1)

2009年12月9日

1回目に会っただけで「朋友」で、2回目になるともう「老朋友 lao3 peng2 you・ ラーオ ポン ヨウ 古くからの友人」と呼ばれてしまうことがある。

血圧が高いので薬をもらいに定期的に病院へ行く。中国の病院では内科のような科は診察室の中に順番待ちの患者がわんさといて、医者と患者の話しをみんなが聞いている。

かかりつけの医者のいる診察室へ行くと、医者が目ざとくわたしを見つけて順番待ちで椅子に座っている患者に言う。「わたしの朋友が来たからあなたそこの椅子を空けなさい。」。すると椅子に座っている患者もごく自然にわたしに椅子を譲ってくれる。わたしも、ここで断っては医者の面子がつぶすことになるから、すんなりと受け入れて「謝謝。」とお礼を言って座る。

医者は診察しながら、座って待っているわたしのことをまわりの患者さんへ向かっていろいろと紹介する。
「この朋友は日本人で、中国語を話す。」
「歳は○○歳だ。」
「もう3年前からの朋友だ。」等々。
患者も話に加わってきて「どこで働いているのだ。」などとわたしに聞いてくる。
しかし、実際はわたしとその医者は一緒に食事をしたこともないし、個人的な話などしたこともないのだ。そしてわたしの血圧を測りながら「洗濯の世話は誰がしているのか。」などと聞く。「洗濯は自分でしている。しかし、正確にいうと洗濯は洗濯機がしている。わたしはただ、洗濯するものを洗濯機の中へ放り込むのと干すのだけだ。」
「大したものだ。以前は通訳と一緒に来ていたのに、この頃は1人でやってくる。そういうふうな日本人はあなたくらいのものだ。」とえらく誉めてくれるのだった。