ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

你把我娶了

2010年2月1日

現在の中国では圧倒的に女性の数が少ないと言われ、その差は4000万人と言う話を聞いたことがある。この延長でいくと一夫一妻制度がどのように維持されるのか他人事ながら気になる。

日本でも若い男性にとって結婚相手を見つけるのは一生の一大事であるが、中国ではさらに重要な一大事になっているかもしれない。そういう状況下で若くて理知的な女性から「你把我娶了 ni3 ba3 wo3 qu3 le・ ニーイ バーア ウオーオ チューウ ラ あなた、私を娶ってください 」と言われたら天地がひっくりかえるほどうれしいに違いない。

こういう状況があるテレビ劇の中で出現したのである。舞台は共産党軍と国民党軍とが熾烈な戦いをして共産党軍が勝利し、次いで、日本でいうところの「朝鮮動乱」にも参戦して7日間、米軍と戦ってある場所を死守した英雄たちの物語で、終わり頃になってこの物語の主人公は「趙長林」なんだなとわかる大長編物である。この物語は50年くらいの時間幅で描かれている。

この「趙長林」はもともと結婚式のときに日本軍に襲われ、それ以来、花嫁と離れ離れになり、ついに結ばれることはなかった悲恋物語でもある。かつての花嫁は死ぬまで「趙長林」を忘れることはなかったが、実際は生きていたのに朝鮮動乱参戦で犠牲(死亡)になったと公表され、やむなくたった一人生き延びた英雄同志と結婚したのである。

それも幾人かの共産党幹部がその女性に言い寄ってくるので「趙長林」を忘れられないその女性は煩わしく感じ、彼らを断ち切るために結婚したのである。そのときに彼女が口にしたセリフが「你把我娶了」である。

しかし、この女性の中には「趙長林」が永遠に生き続けていて年齢を重ねるにつれて二人の関係は離れていく。それは、妻はもともと夫を愛してはいなかったからである。夫は妻に終始やさしいが、この二人は気持ちが一つになることはなかった。

戦争は多くの犠牲者を出す。「你把我娶了」と言われてその気になった男もある意味では犠牲者である。