ふいちゃんの中国日記

生活編/健康

ベッドのやわらかさ

2006年3月8日

 2006年2月24日から3月3日まで約10日間病院のベッドにずうっと横たわっていた。普段の睡眠時間が1日6時間だったので疲れが抜けきっていなかったのであろうか、あるいはまた手術後の体力回復のためであろうか、とにかくよく眠った。午後2時過ぎ、看護婦が体温を測りにきてわたしが眠っているのをみて「あれ!また、眠っているの!」の大きな声で何度か目が醒めた。
 10日間も同じベッドに1日の大半を横たわっているのに、身体がどこも痛くならないのである。というのはわたしのアパートに備え付けられているベッドは毎朝起きると腰や肩が痛かったが、前任の工場長もほぼ1年このベッドを使っていたと聞いていたので「まあこんなものか」くらいにしか考えていなかったのである。
 この違いは何なのか。わたしのベッドは下が木版のように硬く、その上に薄い厚み5mmくらいの、いわゆる煎餅敷布団があるのみだったのである。病院のは厚み10cmほどのスプリングマットの上に厚み40mmほどの綿の敷布団が使われていたのだ。わたしはアパートではまるで板の上に寝ていたようなものだったのだ。だから、1日の疲れが取りきれず、知らず知らずのうちに疲労が蓄積していたのであろう。
 わたしは決定的なこの差に気がついて、誰がこんな安眠できない形ばかりのベッドを買ったのだろうと思ったが、いろいろな関係者の立場を考えて公に口に出すことはしなかった。退院したら、すぐにやわらかい安眠できるベッドを自費で買おうと決めていた。退院した2月3日にベッドを買いに行ったが、春節で商店はまだ店を開けていなかった。やむなくまた1週間いつもの硬いベッドを使った。改めて病院のやわらかいベッドとの差を感じざるを得なかった。
 2月11日、病院で薬交換を済ませたあと買いに行った。さすがにどの商店も賑わっていた。さっそく、暑さ12cmほどのスプリングマットと厚さ4cmほどの綿の敷布団、さらに敷毛布を買った。費用は全部で1000元。こうしてその夜から病院のベッドと同じようなやわらかいベッドで安眠できるようになり、朝目覚めたときの腰や肩の痛みは消えた。ある人から「将来日本へ帰るときこのベッドはどうするのだ」と言われたが、健康を維持するためにはこの1000元も惜しくはない。将来、帰国のときは「友好の記念にこのスプリングマット一式貰ってくれる」と言って、よろこんで受け取ってくれる友人を作っておきたい。