ふいちゃんの中国日記

生活編/健康

護師

2010年4月20日

時間がいっぱいあって逆にいえば仕事がないのか、あるいは別の理由だからかとにかく動作が緩慢でゆっくりゆっくり歩く人は結構多い。ところがこの病院の護師(hu4 shi1フーシー 看護士)は歩く動作が機敏である。まるで中国人ではないのではと思うほど一般の人とは違っている。

血管の位置を決め、点滴の針を刺す操作もとにかく早い。彼女たちの動きをみていると非常によく訓練されて、作業も標準化されていることがわかる。工場の一般従業員がこのように訓練され、作業が標準化されていれば工数も歩留も品質もずいぶんよくなるだろうなと思うのである。

ただし、ひとつだけ違っていたのは点滴の注射針をテープで固定する方法で、これは護師によりテープの本数とか位置が違っているのだった。また血圧測定もある護師は右腕だったり、別の護師は左腕だったりとまちまちで、ときには両腕測る護師もいた。人の血圧は右と左で少し違うからどちらかに固定するのが正しいのではないかと思う。

普段はマスクをしているから顔がよくわからないが、ときとしてマスクなしでやってきたりするのでそういうときは顔を拝見することができるのだった。結構若い護師もいたがどちらかというと経験豊富な30〜40歳代と思われる護師が多かった。

若さにびっくりして聞いてみると22歳ということで、勤務状況は昼勤は8時間で、夜勤は16時間勤務という説明であった。この若い護師は日本語を勉強しているということで、まだ片言ながら日本語で交流できたのだった。また別の護師は、わたしの中国語が聞き取りにくいから英語で話してくださいと言われて簡単な英語で話したらまるで通じなくて、「他不会英語 ta1 bu1 hui4 ying1 yu3 ター ブウ フイ イン ユーウ 彼は英語ができない」と付き添いの従業員へ小声で言っているのが聞き取れた。

おかしいなと思って「Can you speak English?」と聞くときれいな発音で「A little.」と返ってきた。片言英語が話せると、わたしは「英語が話せます」という人が多い中国人の中ではたいへん珍しい謙虚な護師であった。それぞれ護師の仕事をこなしながら自己啓発に励んでいるのであろう姿を想像し、自己啓発などまるで縁がないようなわたしが勤める会社の管理職に彼女たちの爪の垢でも煎じて飲ませたいほどであった。

なにせ、わたしが勤める会社の管理職は本の購入費は会社が負担するから自分の関連する分野の参考書(例えば、ISO9001,ISO14001,品質管理手法、原価管理等々)を買ってきて勉強しなさいといっても誰も買ってこないからである。