ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

一家人

2010年4月23日

2010年4月21日朝、8時ころテレビのスイッチを入れると青海地震1週間後の追悼番組が始まっていた。地元のチャンネル、おそらく30局以上あると思われる各地の衛星テレビがどれもまったく同じ画面である。

この状況は夜の10時を過ぎても同じで、14時間以上、中国のテレビの全チャンネルはまったく同一の内容画面であった。時折観る画面でたくさんの人が言っていたのは「一家人」と「我們在一起」で、口々にこう言って被災地の人々を励ましていたことである。

「一家人」というのは日常でもよく出てくる。日本語的な狭い範囲の意味の「一家の人」以外に同じ会社や職場に属する人、あるいは同じ国に属する人など、状況によりその範囲は変化する。

「我們在一起」の意味は、距離は離れていてもわたしたちの気持ちはあなた方とつながっている。中国という国を家庭にとらえれば、私たちは家族です。だから、物質的にも精神的にも私たちはあなた方を支援します、と励ましている。

こういう言葉を聞くにつれ、これは日本人と中国人との宇宙観の違いであろうかと考えてのだが、いや違うこれは国家への帰属意識の違いではないだろうかと考えるようになった。

日本は敗戦後、いろいろな事情で国旗掲揚や国歌の斉唱などが無視されてきた経緯がある。これでは国家への帰属意識は容易には育たないのではないだろうか。中国のテレビをみていても何か行事があると国歌の斉唱と国旗掲揚から始まる。本来、国というのはこうあるべきではないだろうかと感じてさえくる。小さいころからそういう環境で育てば国に対する忠誠感や帰属感が育っていくのであろう。それはすなわち愛国心へとつながっていく。

日本は物質的には大変豊かになったが、精神的背景の育成がおろそかにされてきたのではないかと思う。実際、わたし自身、日本という国家に対する帰属感や愛国心などが非常に希薄なのである。