ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

内姦

2010年5月30日

内姦(nei4 jian1 ネイジエン)の「姦」には“裏切り者”という意味もある。通して「内部の裏切り者」という意味で、“(敵に)内通する人。裏切り者。内部に潜りこんだ敵のスパイ。”

最近のテレビ劇を観ても複雑なストーリー展開の中で謀略、策略、裏切り、スパイが次から次へと出てくる。

かの国の人は日本人より相当複雑である。4000年とも5000年とも言われる歴史のなかで、培われてきた経験と知恵が引き継がれている。島国で自然の要塞に守られてきた日本と違い、陸続きの大陸で外敵から常時、侵略攻撃を受けてきた国とでは引き継がれてきた経験と知恵が違っていてもおかしくない。

日本では通常、仕事上知り得た情報は第三者へ漏らしてはならないというのは常識であり、モラルもある。規定上もしっかりと規定されている。ここら辺は中国も同じである。だが、中国では規定があるということと、規定が規定通り運用されているということとは別物である。

内部の情報がどんどん漏れていく。「こういうことは他の人には漏らしてはならない」といくら説明要求しても守られない。例を挙げればきりがない。個人の給与などもどんどん漏れていく。上司は部下を評価する。部下は部下同士で「あいつは俺より仕事ができる」、「私はあの人より仕事ができる」などとそれぞれ相対評価している。

そこに個人の給与情報が垂れ流しに漏れ入っていく。「私より仕事ができない人が私より給料が多い。気に入らない。」ということで本人の上司を動かして給与を上げてもらうとするなどは日常茶飯事である。

本人に情報を漏らしていることを「漏らしている」という意識がなければ、いくらそういうことをしてはならないと言っても効果は期待できない。厄介な問題であるが、これは明らかに”内姦”である。