ふいちゃんの中国日記

仕事編

お土産の行方

2005年 10月 31日

 9月上旬、日本へ出張した帰りに事務所の人たち用に成田空港でお土産を買った。工場へ戻り、事務所のある担当者へ「みんなで食べてくれ」と渡した。しかし、それがみんなに配られた形跡が全くない。
 わたしが知らないあいだにみんなが食べたのだろうと思っていた。ところがそれから1ヵ月半ほどしてある話題で土産物の話がでたので「わたしが出張から帰ってきたときの土産の味はどうだった。」と聞いたら「知らない」という。貰っていないというのだ。今までもこういうことはたびたびあって、どうやら土産物を受け取った担当者が自分だけで処分しているらしいとわかった。
 日本では普通、関係者みんなに配って食べる。だから土産物を持ってきた客人もそれが特定の個人のふところに入っているなど想像すらできない。しかし、同じ中国人でも日本人と同じような考え方の人もいて、ある一部の人は土産物を一担当者が独り占めしていることを知っており、疑問をもっていることもわかった。
 わたしたちの工場にもときどき日本からの来客があり、ほとんど全て土産物を持ってくる。そこでわたしなりに一計を講じた。渡すとき、わざと通訳を呼び、大きい日本語で「これは誰々さんにいただいた土産物だからみんなで食べるように」という。すると通訳も周りの人に聞こえるように大きい声で通訳する。こうして土産物があるということ、みんなで食べるということをみんなにも知らしめる。こうしておけば一人で処分してしまうということはできなくなる。しかし、このような工夫は1~2年は続けないと定着しないかもしれない。
 みんなに配るようになったはいいのだが新しい問題がでた。配られた菓子などをどうどうと机の上へ置き就業時間中にほとんどのひとがボリボリと食べだしたのだ。壁一枚隔てた隣の生産ラインでは朝から夕方まで立ちっ放し仕事をしている娘さんたちがたくさんいる。彼女たちには当然ながら仕事中のガムや飴などは禁じている。事務所のこういう実態を知ったらクレームがつくに違いない。新しい課題がひとつ増えたことになる。いずれ解決しなければならない。