ふいちゃんの中国日記

仕事編

社内旅行

2005年 11月 10日

 8月下旬に総勢約100人が参加する一泊二日の社内旅行があった。計画書などは回ってこないので詳しいことはわからないが、幾人かの話の端々をつなぎ合わせると車で約2時間のところに「庄河」というところがあり、山と川遊びだという。なかでも川遊びは「小桂林」と呼ばれる絶景の場所らしい。
 一日目は山登り。といってもそう高くはない。だらだらと歩いて急峻な頂上近くにきた。だが、そこから先は鎖と梯子が待っているのが目に入るのか、ほとんどの人はそこまでで、誰も先に行こうとしない。むかしは山登りをやっていたこともあり、その程度の険しさは気にならなかったのでわたしは早速登りだした。すると幾人かの人があとに続いて登ってきた。15分ほどで頂上まで一気に上り詰めていくとすでに到着していた4〜5人がいた。結局、頂上まで登ったのは10人にも満たない数であった。
 二日目は川遊び。「小桂林」というので桂林の川下りの規模を小さくしたものだろうと勝手に思い込んでいたのだが、船は上流へ登っていく。「あれれ、船登りか」とあっけにとられているうちに船登りは10分ほどで終った。本場の桂林のように石灰岩が雨で侵食されてできた山水画にでてくるような山の風情は全くない。桂林というよりも河の景色は長江の超超ミニ版といった感じで、なぜ「小桂林」と命名したのか理解に苦しむほどである。しかし、ここはいくつもの河筋が流れており、水は非常にきれいで水遊び、魚釣りなど時間があっという間に過ぎていくたのしい場所でもある。
 夜はキャンプファイヤーということだったのでどこか近くの原っぱででも行うのかと思っていたのだが、実際は泊まった旅館の目の前の石畳の上で薪を燃やして始まった。こういうとき、仕事をしているときには思いもよらない若い人々の素顔を垣間見ることができる。ゴーゴーダンスが始まったら真っ先に輪の中央へ出て踊りだしたのがいつもむずかしい顔をして金型メンテしているZ君だったように仕事のときのリーダーとレクリエーション時のリーダーが全く別の顔に変わっている。
 午後、帰りのバスの中。初日はミネラルウォーターが1人2本ずつ用意されていたが、2日目はそういう配慮はなかった。のどが渇いてしかたなかったので配られていた「梨」を皮ごとガブかじりし、とてもおいしかった。後日、この旅行を通じてわたしはいろいろな人からさまざまな角度で観察されていたことを思い知らされた。そして各自の観察結果が逐次董事長のところに集められて、わたしへの評価が形成されていた。要約すると
  ?今度の日本人は年の割りには体力があるぞ
    →何年かは大丈夫だな
  ?今度の日本人は中国人と同じように梨を洗いもせず皮ごとガブかじりするぞ
    →俺たちと同じだ
こうしてわたしは及第点がつけられたようだ。