ふいちゃんの中国日記

仕事編

賃上げストライキ

2010年7月26日

7月から大連地区の最低賃金が月900元になった。しかし、実態は900元ではぜんぜん収まっていない。今日現在で大連地区のストライキが行われた企業は43社になっているようだ。そのうち95%は日系企業である。

最低賃金で200元上昇が、実情は400元〜500元上昇している。もともと賃金が月1400元だったところも350元あがって1750元になったところさえある。とくに自動車部品関連で毎日納期に追われているところは日本の自動車メーカーの生産ラインとつながっているところが多く、出荷を確保するために過大な要求を呑まざるを得ない背景もあったようだ。

平均的には賃金は1400元前後で妥結しているようである。これを突破してさらにストライキが強行されるとその筋がでてきて首謀者を逮捕したりして収束に向かわしている。まわりが1400元になれば900元のところなどは人を募集してもまったく集まらないので必然的に1100元とか1200元になってしまう。

製造業にとっては大変な状況になっている。今回の賃上げで、大連はおそらく中国一賃金の高い地域になってしまったのではないだろうか。大連地区へ新規に進出してくる日系企業はまずないであろう。既存の企業も大連から他の地域への脱出の動きが伝えられている。人員を縮小して本体は管理部門だけになり生産は賃金の安い他の地域の会社へ外注するなどの動きである。結果、大幅賃上げになった会社の従業員は職を失うことにつながっていくかもしれない。

企業の論理は明快である。利益の出ないところには立地できないからだ。今後、大連地区の飲食飲み屋関係の売上げは衰退の一途をたどるであろう。