ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

以柔克鋼

2010年10月6日

こういう言葉がテレビに出てくる。しかし、手持ちの中日辞典には載っていない。字から判断すると日本語の「柔をもって剛を制す」であろうと思われるのだがあくまでも憶測である。

以柔克鋼(yi3 rou2 ke4 gang1 イーイ ロウ カー ガン)の「柔」は柔軟の「柔」、「克」は克服の「克」、「鋼」は鋼鉄の「鋼」である。

いつも日本から大連へ向かうとき、空港の書店で本を買う習慣がある。今回買ったのは「ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術:阪急コミュニケーションズ、バルバラ・ベルクハン著(小川捷子訳)、\1500円」で、その中の“第一章 戦わずして勝つ”に日本の電車のなかで、まわりの乗客に暴力をふるっている酔っ払いに対して「ちょっとこっちに来ませんか」と話しかける小柄な男性の話が出てくる。

(以下無断転載)
すでに殴りかかろうとしていた酔っ払いは、その人の前にたちはだかって怒鳴りました。
「じじい、何のようだ!」
すると、その男性は優しく尋ねました。
「何を飲んだんですか?」
酔っ払いは突っかかるような口ぶりで「酒だ」と言いました。
それでも、その男性はにこやかでした
「私も酒が好きでねえ女房といっしょによく飲むんですよ、庭のベンチに座ってね」
それから酔っ払いをうれしそうに見つめました。すると酔っ払いはいくらかおとなしくなりました。
「ところであなた、奥さんは?」
それを聞くと、酔っ払いは悲しそうな顔になりました。
「女房もいないし、金もないし、家もない」
とてもは恥ずかしそうでした。相手の男性はあいかわらず感じよく言いました。
「こちらに来て座りませんか。いろいろと話を聞かせてくださいよ」
すると酔っ払いは隣に座り、ふたりはいろいろな話を始めました。

じつはこの酔っ払いを見ていたテリー・ドブソンという人は得意の合気道の腕前をこの酔っ払いに振舞うと考えていたのですが、その前に上述の小柄な男性がこの酔っ払いをおとなしくしてしまったのであった。

人と人との関係はいつも相対的であることを知らされる。