ふいちゃんの中国日記

生活編/出来事

銀行での出来事(2)

2010年10月27日

少しまとまった日本円を人民元に両替する必要が生じ、しばらく銀行通いをすることになった。中国では1日に両替できる金額は5,000US$で年間50,0000US$に限定されている。この上限金額は少なくとも5年前からなにも変わっていない。さらに言えば10年以上前からも変わっていない可能性もある。

中国は経済発展に伴い物価がどんどん上がっている。この夏前の賃金上昇はすでに紹介した。だから今の価値から言えば5,000US$はあまり大きな金額とは言えなくなっている。過去5年間の物価上昇から判断すると上限は3倍の15,000US$が妥当なところか。現在の1US$=81.28日本円のレートで言えばわずか406,400日本円にしか過ぎない。

だから少しまとまった人民元が要るときは大変である。例えば4,000,000円を両替しようと思ったらまるまる2週間かかることになる。さらに多くの金額になると両替だけで1ヶ月ということもあり得る。これでは闇両替商が活躍できる下地があるはずだ。

銀行の外貨を扱う窓口は毎日担当者が変わる。共通しているのはみな若い人ばかりである。中国の銀行は恐らく防弾ガラスと思われるガラスで完全に客と遮断されている。開いているのは身分証明書やカードなどを入れる地下トンネル型のわずかな隙間だけである。
  
奥の列では金を数えたりしている人たちがいる。見た感じ、窓口で直接客応対している若い人たちに比べると年齢が一回り以上上の感じである。両替は短くて15分、長くて30分以上かかる。わたしがサインしたりする時間は合計で1分はかからない。ほとんど銀行員の処理時間である。

待っているあいだ、することもないから銀行の人が金を数えたりする様子をみている。数えたり束ねたりする動作はとても速くてきぱきとしている。奥の席にいくほど給料があがっているのであろうが、しかし、あの人たちの仕事は創造性がない毎日同じ作業の繰り返しのようである。余計な話であるが、わたしにはあのような仕事は務まらない。

窓口の若い人たちも処理作業の速い人と遅い人があり、15分から30分以上とばらつく。出だしの処理作業をみただけで「あ、この人は速いな」と判断がつく。伝票を書き間違える人は毎回まちがえるし、始末がわるい。恐らくあの人は普段でもしょっちゅうまちがえているのであろう。

「さっき、この伝票はサインしたではありませんか。なんでまたサインしなきゃならないのですか」
「--------」
「まちがえたのですか」
「まちがえた」とか細い声。
「わかった」と再びサイン。
とこんな感じでやっているから時間がかかるのだ。