ふいちゃんの中国日記

生活編/気をつけよう

小姐と服務員

2005年 11月 1日

 小姐という言葉は本来いい言葉のはずである。北京や上海、成都などではごく普通に使われるし、尊称と理解していた。ところが大連では違うらしい。レストランへ行って注文したり、お愛想のときなど「服務員」と呼ぶ。
 わたしにとって「服務員」は「同志」と同じように20〜30年前のとても古臭い匂いのする言葉である。だがここ大連では「服務員」と呼ばなければならない、ということが最近ようやくわかった。なぜならここでは「小姐」は「売春婦」を指すのだという。だからカラオケお嬢さんは通常「小姐」と呼ぶのだそうだ。しかし、カラオケお嬢さんがすべてそういうことをしているかというと、どうやら100%そうだとは限らないという。大部分のカラオケお嬢さんは金次第らしいが、なかには金では転ばないカラオケお嬢さんもいるという話を聞く。
 大連には日本人相手のカラオケがたくさんあって、開発区だけでも50店は下らないという。大連に短期出張で来る日本人の多くは中国語を話せない。だからカラオケお嬢さんのほうが日本語を話す。ただ、そのレベルはまちまちで店の方針が大きく影響するようだ。すれた日本語を使う「カラオケお嬢さん」は聞けば昼間は日本語学校へいっているというが実際はあやしい。「カラオケお嬢さん」が正確な日本語を使う店の場合はきちんと昼間日本語学校へ通わせているようだ。ただし、学費は個人負担で、半年で2000元というから決して安くはない。1ヶ月300元強は普通の工場に勤める娘さんの給料が600〜700元であることを考えればその重みがわかる。
 彼女たちにとって日本語が話せるということは即、生活が豊かになるということにつながる。いい男にめぐり合えば結婚にいたることもあり、それはそれで「玉の輿」である。いま中国ではどこへ行っても「カラオケお嬢さん」がいる。近い将来、中国全土で「小姐」という尊称が蔑称に転じてうっかり使えなくなる時代がやってくるのかも知れない。