ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

第三十一計 美人計

2012年2月1日


「韓非子」が言うとおり、どんな名将、知将にも必ず弱点がある。そこを突けば崩れる影の部分がある。その最大のものはなにか。女だ。それも美人だ。中国で傾国の美人といわれる西施、楊貴妃もじつは「美人計」として敵の首領に放たれたものだという。

西施の場合、目的は二つあって、一つは王を色香で酒色に溺れさせ、莫大な財宝を浪費させて国力を弱めること。二つは王と右腕である宰相との関係を悪化させ、王から完全に離すこと。

美人計とは生身の女性だけではなく、情感、欲望、嗜好、執着、つまり個人的な弱点のすべてという。絵画や陶器、刀剣などの収集欲、あるいはゴルフ、相撲のタニマチ、競馬、賭博―――。心の弱さはさまざまな形をとって現れる。こうした敵のリーダーの弱点をさぐりつけ込め。これが「美人計」である。

西施は忠実なスパイだったが、女心と秋の空、女はいつ敵に寝返ってすべてを暴露するかも知れない。だから、これは最後の手段なのだと結んでいる。(以上全て「三十六計(島村義)」からの引用。)

この美人計は「第三十一計 美人計」として認識されているか否かは別として、現代でも盛んに使われていることがわかる。