ふいちゃんの中国日記

社会編/経済

開発区の景気

2006年4月1日

 日本の景気がいい影響であろう、このところ大連開発区の同業他社の景気がやたらよい。生産が追いつかなくてはみ出た従来製品の下請けをやってくれないかと数社から声がかかってくることが多くなった。じつはこのような話は去年の秋ころからボチボチあったのだがここにきて急増してきた。

 つまり各社、それだけ営業をしっかりとやっているということなのであろう。それにくらべると当社は3年まえからほとんど変わらない状況で生産していることになる。営業活動をほとんどしてこなかった咎めがでているわけで、好景気の恩恵をうける機会からはずれているということである。残念だが自業自得としか言いようがない。

 忙しいところでは単価の安い製品は引受けないという選別の時期に入っているようだ。こんなことではいけないぞというわけで、当社も営業を強化しつつあるのだが、なにせ長年継続して営業してきたところと、今年になってさあやるぞと始めたところとではどうしても格差がついてしまうのは致し方ないことであろう。

 営業というのは人を売る商売であると思っている。だから初めて訪問した会社ですぐ見積用の図面をもらえるなどということはまずない。客先からみれば狭い開発区に居るのにはじめて営業にきたこの会社はどういうところなのかとじっくり観察されているわけである。この人物に、この会社に頼んでも大丈夫だなと判断されてから次ぎの段階に入ることになる。しかし、種を蒔かなければ花は咲きようがないのだから、まず種を蒔くところからじっくりと取り組まなければならない。だから花が咲くまでは時間がかかることになる。

 だが、プラスチック成形品という具体的な形のある物を売る営業は形のない物を売るのに比べるとやりやすい。現品を見れば目の肥えた人は金型とか成形に関する技術レベルが大体見当がつくからである。しかも、開発区という狭い地域に日系企業が集中しているので車で10分もあれば着けるのは非常に効率的である。回ろうと思えば1日に4社は訪問できる。しかし、通常は2社にしている。あせることはない先は長いのだ。

 それでも営業で動けば徐々にではあるが、それなりに効果が出てくるもので具体的な新商品の受注が1件、2件と決まってくるようになってきた。ラッパを大きく吹いて、いくぞーとみんなを鼓舞しているところである。丸秘だが計画は大きいのだ。