ふいちゃんの中国日記生活編/出来事
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海の傍にある餐庁(can1 ting1ツアン ティン レストラン)でいつものメンバー6人と食事会をすることになった。今回はわたしのおごりであったが、席の予約は別の人がしてくれた。 全員が予約した貸切部屋にそろって料理を頼みに地下一階へ行こうなどと話をしていたら、その部屋担当の服務員が「いま、席の予約をしたら宿泊費(標準間458元)が無料になっている」という。 よく聞いてみると2月25日~4月25日の2ヶ月間は閑散期サービスとして席の予約をした客に宿泊費の無料サービスがついているということがわかった。但し、部屋は山側の部屋に限定され、海側の部屋の場合は40元追加支払いが必要とのこと。 じつはこの建物は入り口を入って左側が餐庁で、右側は四星のホテルなのであった。おそらく経営者が同じ人なのであろう。予約したのはわたしではなかったが、全員そう遠くないところに自宅があるのでその権利を譲り受けてフロントへ確認に行った。明日、部屋が空いているか聞くと、山側は全部埋まっているが海側は空きがあるという。 皆に少し待ってもらって部屋に案内してもらうと四星クラスだけあってなかなかいい部屋である。フロントへ戻って40元を払うという条件付で翌日の一泊を予約する。 翌日、電気系統が故障してすったもんだしたホテルを引き払って海沿いにあるホテルへ引越した。引越しの翌日は大連を離れ四川省成都市へ行く予定である。朝の飛行機離陸時間は早く、4時に起きなくてはならない。それで、22時ころフロントへモーニングコールの電話をした。 中国語でこう言った。「明天早晨四点鐘叫醒我。」。フロントの返事は「聴不懂。」であった。わたしはピンときた。この服務員は生粋の大連人なのであろう。おそらく金州の中心部からかなり遠いところの出身者で、よそ者と交流の経験が少ない人なのであろう。 わたしの経験では、吉林省出身の人は初対面でもわたしの中国語を聞き取ってもらえるのに対して、金州出身の初対面の人はわたしの中国語が全く聞き取れない人と聞き取れる人とに別れる。原因は大連方言である。 明日の朝は遅くとも6時にはホテルを出発する予定である。なんとしても「モーニングコール」が通じないと困るので、次は英語で言ってみた。「Tomorrow morning four o‘clock, please wake up me.」。返事は「日語我聴不懂。」であった。ふーむ、フロントの服務員はわたしが日本人であることは承知しているようだ。だから、自分が理解できない外国語はすべて日本語になるのであろう。 「じゃあ、ゆっくり話すから、よく聞いてください。」と何度も何度も話してようやく通じたのだった。ほっとして眠りについたまではよかったのだが、その翌朝、モーニングコールはなく、目が覚めたら既に4時40分であった。 大慌てでひげを剃ったり、髪を整えたり、食事をしたり、歯を磨いたりと忙しいことこの上ない。6時前にフロントへ行くと警備員がいたので「退房 tui4 fang2 ツイ ファン チェックアウト」というと慌てて仮眠室へ服務員を起こしに行く。警備員はすぐ戻ってきたが、すぐに起きて来そうにないので、わたしも仮眠室のドアをドンドンドンと叩く。ようやく起きてきたフロント服務員の顔はたった今起きたばかりの顔であった。 モーニングコールが自動設定できるようになっていなかったのだ。それでも服務員は「モーニングコールを忘れていた。」と言い訳したから、寝る前までは頭の中にあったということであろう。話は通じていたのだ。 調度品は四星クラスであったが、モーニングコールシステムは三流なのであった。ひょっとしたらと思ってカーテンを一部あけていたのが幸いした。もし、わたしが早めに目覚めなかったら、乗り遅れるところだった。 【註】 餐庁 can1 ting1ツアン ティン レストラン 訂座 ding4 zuo4 ディン ヅオ 席の予約 包間 bao1 jian1 バオ ジエン 貸切部屋 明天早晨四点鐘叫醒我 ming2 tian1 zao3 chen si4 dian3 zhong1 jiao4 xiang3 wo3 ミンティエン ザーオチェン スーディエーン ジョン ジアオシーン ウオーオ 明日の朝、4時にわたしを起こしてください 退房 tui4 fang2 ツイ ファン チェックアウト 聴不懂 ting1 bu dong3 ティン ブ ドーン (聞いて)わかりません 日語我聴不懂 ri4 yu3 wo3 ting1 bu dong3 リーユ ウオーオ ティン ブ ドーン 日本語、わたしはわかりません。 | |||||