ふいちゃんの中国日記

仕事編

新工場への引越し

2006年4月6日

二転三転したが、結論は6月末新工場へ引っ越しである。いよいよ最終決まりか、といった感じである。新工場は大連開発区の輸出加工区内にある。この輸出加工区というのは中国という国の中にあるが、外国と同じ扱いになる。税金に関する特典があり、作った製品をすべて輸出する場合はここはもっとも便利な区域である。

 中国には日本の消費税に近い感じのする“増値税”というのがあって、国内販売に17%の税金がかかる。この17%というのは非常に重く、価格競争力の面では大きく足をひっぱる要素になっている。日本の消費税と同様に最終購入者が負担することになる。

 輸出加工区内は中国ではない扱いなのでこの増値税がかからない。輸出加工区への出入りもほとんど制限はない。ただし、人、乗用車についてである。乗用車はノンストップで出入りできる。だが、軽自動車にしろ、荷台があったりするとまず出入り口が違ってくる。もちろんトラックもそうである。そしてかならず係員が中身を厳密にチェックする。なぜかというと無税で入った品物が中国国内(=輸出加工区外)へ出て行ってはならないからである。黙って出て行くことはすなわち密輸になるからである。このチェックは徹底されている。

 このあいだ、輸出加工区にある工場へ営業に行ったときのこと。輸出加工区にある工場の製品が加工区外の協力工場へ出されるとき、厳重な手続きが必要になる。しかも、2~3日かかることが多いという。納期確保で加工区内の工場で徹夜で仕上げても、出口で申請して許可が下りるまえに数日寝てしまうからまったく意味がないことになるのだという。そういう意味で輸出加工区に引越し後は区内での物の移動が自由なので同業他社にくらべて非常に有利な条件になると言われた。

 こうして各社を回っていくといろいろな情報が入ってくる。もちろんこちらも客先に各種の情報を提供することになりお互い様である。開発区に進出している日本企業は日本では考えられないほどの仲間意識があるように感じる。業種が違っていてもあるいは競合関係にある企業でも担当者同士はけっこう仲がいいし、国家意識はあまり鮮明ではなさそうだが、日本人としての仲間意識は相当強いように感じるのはわたしだけであろうか。