ふいちゃんの中国日記

仕事編

たちの悪いいたずら

2006年5月7日

中国には日本人には信じられないようないたずらをする人がいる。
ある客先を訪問したところ、わたしが顧問をしている同じグループのJ会社がその工場へ毎日納品に伺っていることは知っていたが、いきなり、そのJ会社が客先の工場内で大問題になっている、と言われてびっくりした。

詳しい話を聞くとこうである。
昨年11月ころ、納品に来た3人の作業者のうち1人がカッターナイフで客先の保管していた発泡スチレンの梱包材を切り裂いたというのである。
監視カメラに録画されており、しかとした証拠も揃っていると言うのだ。

運転手に、帰ったら責任者へ伝えるようにと言い、その発泡スチレンを切り裂いた人間は2度と工場へ寄こさないようにと注文つけたのに、4ヶ月経っても回答もないばかりか、いまだにその作業者を納品に寄こしている。
じつは昨日、工場内でその対策を検討したところだという。

J会社の責任者へ状況を伝え、すぐに事実関係の確認に入った。
事実は客先の言ったとおりで、運転手は処罰を恐れて責任者へ報告していないこともわかった。
なぜそんな馬鹿げたことをしたのかというと、単なるいたずらだというのだからあきれてしまう。

じつはこの客先からは数ヶ月後には注文をゼロにすると言われており、その客先の協力会社3社のなかで群を抜いて修正返品率の少ない、J会社がなぜ注文がゼロになるのか、その理由が皆目わからなくて内部的にいろいろ対応を模索していたところだったのだ。

一気に背景が見えてきた。
つまりいたずらをした作業者を寄こさないでくれと言ってあるのに、無視してずうっと寄こしている。それだったら寄こさなくするためには注文を出さなければいい、という図式が浮かび上がってくる。
注文がないのだから当然納品もなくなり、客先へ行こうにも行けない状況が出現する。こうしていたずらした作業者を排除することができることになる。

J会社の責任者はすぐに調査状況をまとめ、詫びと今後の対応をいれて謝罪文を客先へ提出した。
どういう結果になるか予断を許さないが、最善を尽くすしかない状況である。いたずらした当事者は即刻解雇され、報告しなかった運転手は罰金500元の非常に重い処罰を受けることになった。

たまたま、別の製品で営業訪問したところから判明したのだが、もし、この訪問がなかったらJ会社はわけもわからずに注文がゼロになっていたかもしれない。