ふいちゃんの中国日記

生活編/出来事

お隣さん(2)

2006年4月14日

南方に属すると分類される成都では菜の花は既に咲き終わったとの知らせが入ってきた。
大連にも春がやってきたとは言え、最近、迎春花が咲いてきたばかりでまだ他の花は咲いていない。
しかし、きょうはとても暖かかった。

2006年4月4日、急に停電になり、休日になった。
同じ週の土曜日が振替え出勤となる。
先週、訪問を約束した客先があるので休日になったにも係わらず訪問。
グループ全部門が休みというので会社の運転手も休みとなり、本日はタクシーで行くことになった。

ドアを出たところで電話予約したタクシーを待っていると、T社に勤める日本人と結婚しているというお隣さんの娘さんがやってきたので挨拶する。
この娘さんはかなり日本語を話す。
いつかエレベーターで一緒になったとき、「わたしの恋人は日本人」ということであったが、母親である隣の奥さんからは結婚していると聞いているので、恋人=夫という意味なのであろう。
ご主人を送り出したあと、実家を訪ねてきたといった雰囲気であった。

仕事は午前中で終了。
きょうは春霞がかかり、日差しはあまり強くないがぽかぽかしてほんとにいい気候なのだ。
部屋に閉じこもっているのはもったいない。
童牛嶺へ散歩に行くことにした。
この冬の3ヶ月間ほとんど運動らしい運動をしてこなかったので体がなまっている。
これでこの春3回目の童牛嶺であるが、1回目は風が強かったこともあり疲れて途中で引き返してきた。
2回目は展望台まで。
きょうは足腰がかなり順応してきたことを身体で感じるほどになった。
いつもより少し長く、往復で2時間の散歩となった。

アパートへ帰ってきて、エレベーターを降りたら、ちょうどお隣さんの母娘が出かけるところに出くわす。
「ちょっと待ってください」と言ってこの間いただいた大根の漬物のお椀をアメリカ産のネーブル1個をお礼につけて返す。
そうしたら、奥さんがこのあいだと同じ漬物をまたあげると言って、今度は1kgの袋ごと部屋から持ってきてくれた。

じつは3日前の日曜日、たまたまアパートの出口でこのご夫婦と遇ったとき、あの漬物は大変おいしかったとお礼を言ったので、そのことを覚えていたのかもしれない。
娘さんが日本語で、「これは日本の食品会社が大連で作っている漬物で値段は安いです。
いつもよく行く日本料理店からわけてもらったものです」と説明された。

そうか、大連で作って日本へ輸出している製品だったのだとわかった。
当然ながら、味は完全に日本の味であり、お隣さん一家の嗜好にもあっているのであろう。
だが、1kgの大根の漬物を一人で食べきるのは大変だなと贅沢な悩みが湧いてきた。
この大根漬物の食品会社の名前は「広野食品」である。