ふいちゃんの中国日記

生活編/大連カラオケ事情

雨晴

2006年4月18日

 カラオケ京東のチーママは任雨晴と名刺に書いてある。天気の名前だがこういう人の名前がたしかにある。私の知っている人のなかで春雨という名前の人もいて、自然現象から名前を頂戴している例をときどき見かける。

 この任雨晴にはじめてお目にかかったのは去年の8月だったと思う。京東へ行ってこのチーママを見たとき年齢が30歳代と感じたのである。そのときの印象がずうっと頭に残っていたのだが、その後、日本からのお客さまを案内してときどき京東へ行くうちに、見慣れてくるとだんだん若くみえてくるので不思議な女だなと思っていた。

 彼女は日によって目元がとても涼しく見えるときがあり、そういうときは若く感じたので冗談半分に「きょうはとても若いね」などと失礼なことを言ってきたのである。あるとき、このチーママが席にやってきた。話が歳のことに及び、「当ててみて」というので、30歳代と思っていたのだが、ズバリ言うと失礼かと思い、遠慮したつもりで「まだ30歳にはなっていないよね」と言ったのである。

そうしたら、チーママが一瞬きょとんとしてから、「ハッハッハ。我生気了!」と言いながら笑い転げてしまったのである。そばにいたカラオケお嬢さんも一緒になって身体をゆすって笑っているので、どういうことかと尋ねたら、なんとこのチーママは23歳だというのである。

 中国は数えでいうからひょっとしたら満で21〜22歳の可能性もある。たしかに30歳にはなっていないのであるが、私の表現は「30歳に近いよね」と意味していたのだから、それにしても10歳も歳とって見ていたことになる。道理で若く見えたはずだ。もともと若かったのだ。

 このチーママ、決して美人ではないし、歳も若いのにさすがにチーママの職位にいるだけのことがあるなと感心するのは、いつも店全体、客全体に気配りしているところである。だから、私のようなときどきしか行かない客にもかならず顔を出して話をしてくれるのであろう。逆にわたしと話をしているときでも耳は全体の音を聞き、目は遠くを見ているときがある。

 こうしていつも店全体に気配りしているのを感じるのである。彼女の仕事ぶりをみているとわたし自身の仕事に大変参考になるところがある。このような気配りのできる部下をもったママは仕事がやり易いはずである。

【註】
  我生気了! wo shengqi le ウオー ションチー ラ 怒るわよ!