ふいちゃんの中国日記

生活編/大連カラオケ事情

逆境のカラオケお嬢さん

2006年4月20日

 世の中のさまざまなことが縮図されて、このカラオケお嬢さんの世界にも反映されている。一人で行くと相席になることがある。見知らぬ客に小姐がついてU型のソファーに座っているので、自然に隣や対面の小姐の様子が目に入ってくる。

 まだ垢抜けしていなくていかにも新米といった感じで先輩お嬢さんの横に座っているのだが、ただ、チョコンと座っているだけで、客に話しかけるわけでもなく、また、客からも話しかけることもなく、無表情に座っているお嬢さんがいた。

 冗談にも見目麗しくとは言えないタイプであるが、私についていた小姐が勘定のため席をはずしたので、恐らく、横の先輩お嬢さんから言われたのであろう、私のそばに移ってきたので話を聞いてみた。

 客に話しかけられない1つの理由が、日本語がまだほとんどできないからだということがわかった。勤めだしてまだ1ヶ月目だという。昼間は商場で働いて、夜はここで働いているというので「どうしてそんなに働くの」と聞くと「ハルピンからやってきて、父親が病気のため治療費を稼ぐために働いている」という事情である。

 昼間の仕事は給料が1000元だというからかなりいい給料を貰っていることになる。このお嬢さんがカラオケ店でたくさん稼げるようになるには内面から自然に出てくる「華」が感じられるようになるまでむずかしいかもしれないなあ、などと勝手に分析。

 だが、「蓼食う虫も好き好き」、「割れ鍋に閉じ蓋」という言葉だってあるし、先のことはわからない。誰かがわたしの気がつかない何かを彼女に見つけて、それを引き出すことだって大いにあり得る。短期間で化ける可能性だってあるのだ。頑張れ!負けるなよ。