ふいちゃんの中国日記

生活編/大連カラオケ事情

クラブPの身分検め

2006年4月25日

 昨年8月、わたしが大連に来てまだ日が浅いころ、日本からのお客様を案内して、4人でクラブPにいた。すると突然,4〜5人の公安が店に入ってきて、お嬢さんたちの“身份証”(身分証明書)を検めだした。お嬢さんたちの表情が「やばい!」という表情に一変していた。

 “身份証”を携帯していなくて、アパートに置いていたお嬢さんもいたようだ。幾人かのお嬢さんたちが留守になったので理由を聞くと、公安が一緒にアパートまでついて行って確認することになったのだという。その夜、お嬢さんのなかには1時間後にやっと戻ってきたひともいた。

 われわれ客にもパスポートの提出を求めてきた。わたしはいつもパスポートを携帯していないのだが、その夜はスーツを着た同僚の一人にパスポートを求めて、さっと提出されたものだから拍子抜けしたのかどうか、他のわたしたちには求めてこなかった。わたしたち4人はそれで何事も起きなかった。

 もし、わたしにパスポートを求めてきたら財布の中のパスポートのコピーを見せるつもりでいた。それで納得しなければアパートまでついてきてもらって証明する方法がある。このクラブPは8時台という大事な時間帯にやっかいなことが起きたわけだ。

 ふつう、何もなければこんなことは滅多に起きないようだが、なぜ、こんなことになるのか。われわれは日本語で話しながら、この原因を探ってみようということになり、意見を出し合った。いかにも日本的な結論はこうであった。
   ・ この店はその筋に盆暮れの付け届けをしていないのではないか。
   ・ だれか、何かのタレコミをしたのではないか。
しかし、だれも本当のことはわからない。中国に盆暮れの付け届けの習慣があるなどもよくわかっていないのだ。

 公安が30分ほど店の中にいたあいだに幾組かの客が入ってきたが、雰囲気を察してか、すぐに出て行ってしまった。この夜、この店は売上げにかなりの影響があったであろうことが容易に想像できる。それ以降、わたしはこの店には一度も足を運んでいない。