ふいちゃんの中国日記

生活編/衣食住

セリ

2006年4月28日

 久しぶりにあしたの土曜日は休日だという日の朝、セリをあげますという電話がはいった。なんでも大黒山でしか採れないセリなのだという。旬の山菜とはありがたい。さっそくいただくことにした。

 夜、セリを受け取りにいく。ものすごい量のセリである。新鮮なセリがおおきなプラスチック袋にいっぱい入っている。おまけに調理済みのセリまで入っているではないか。ありがたや、ありがたや。誰がわたし如きにセリなどくれようか。2〜3日はセリ料理一本になりそうだぞ。

 翌日の土曜日、味はどうでしたかと電話がはいったが「いや夕べは遅くなったので今日いただきます」と弁明。実際、前日は夜遅くまで飲んでいたのでアパートへ帰ってきてからシャワーを浴びるのがやっとだったのだ。

 料理内容の紹介を受ける。
   ? 豚肉とセリ
   ? ジャガイモとセリ
   ? ネギとセリ

の組合せがおいしいとおっしゃる。「ネギはウイークデーは食べたあと匂うけど、今日〜明日は休みだから大丈夫ですよ」と親切なアドバイス。かみさんからもこんなやさしい言葉を言われたことのないわたしは異国の地でかすかに声が詰まる。

 わたしはこのセリを食べるべく、いつもは夕方にしか買出しに行かないのにきょうは午前中に行って来たのだ。そしてしっかりと豚肉とジャガイモを買って来た。が、ネギは実は買って来なかった。理由は簡単で、わたしはまだ大量のネギなどは食べてはいけないと医者から言われているからである。

 昼は簡単な料理にした。お湯でゆがいて灰汁だしをして、酢しょうゆで食べることにした。日本の野生のセリとやや違った葉っぱであるが、味はまちがいなくセリ特有のもので、大連でこんなセリ料理が食べられるとは思ってもいなかったから、至極幸せいっぱいの気分になる。

 夕方、わたしは少しアレンジした。豚肉とジャガイモとセリを一緒にしたのだった。だが、待てよ、ひょっとしたら紹介受けたレシピは油で炒めるのではないかと思ったときはすでに手遅れで、煮始めていたからもう間に合わない。

 それでも、豚肉とジャガイモを先に煮て、ほどよいころにセリをいれて料理は完成。調味料は相変わらず日本から持ってきた味噌一本だが、味は自画自賛ながらなかなかのもの。セリの独特の香りがあっていいねえ。

 こういう旬のものを二人で食べることができれば、尚おいしいだろうなあなどと、かなえられそうにもないことを考えながら、テレサテンのCDを聴きつつ一人舌鼓を打つ。