ふいちゃんの中国日記

生活編/大連カラオケ事情

歌わないお客さま

2006年4月30日

 お客さまをカラオケクラブへ案内して、全く歌わないお客さまというのは大変扱いにくいお客さまである。こういうお客さまに共通しているのは、小姐との会話もほとんど弾まない様子で、なにかと気を使うことになる。気の利いた小姐だといろいろ話しかけてくれるのでいいが、客が話さないと黙ってただそばにいるだけという小姐もまたいるのである。

 これに反して、振る舞いがいかにも楽しそうで、カラオケもどんどん歌ってくれるお客さまは大変扱いやすいのである。昼間は仕事、夜はリラックスと、モードを変えてくださればいいのにと思うのだが、そこはお客さまの性格もあっていろいろである。

 ところがこういうカラオケも歌わない、小姐との会話も弾まない客というのはある一定比率でいるのであろうか、店側でちゃんと対策があるようなのだ。こりゃどうしようもないな、と小姐が思うのであろう、そういうときはオセロなどを持ってきてゲームを始めるのだ。

 カラオケも歌わない、小姐ともなじまないお客さまはなぜかこのオセロゲームに興じてしまう方が多い。同じ狭い部屋のなかで片やカラオケに興じ、小姐とも交流しながら楽しく過ごすお客様の横で、片やオセロゲームに熱中しているお客さまがいるという奇妙な組合せになる。

 小姐はレベルの差はあるものの基本的に日本語がしゃべれるので、要はお客さま次第というわけである。カラオケも歌わない、小姐ともなじまないお客さまで、最悪のパターンは途中で完全に眠ってしまわれることである。

 1時間の時差もあり、移動の時間というのはけっこう疲れるものだということは経験的に知っているが、カラオケの音などなんのその、30分くらいいびきを掻いて熟睡されると起こすのもはばかれてしまう。

 なかにはいびきを掻いて熟睡しているところを携帯電話で写真を撮っているお客さまもいたりして、あとできっと話の種にされてしまうのだろうなと気の毒ではあるが、こちらも疲れているようだから、起こさないほうがいいだろうとそのままにしている。

 そんなわけで、わたしが逆の立場になった場合は、もともとカラオケが大好きということもあるが大いに歌い、小姐とも積極的に交流し、楽しく過ごすことにしている。それが招待してくださった方への礼儀にもかなっている。