ふいちゃんの中国日記

生活編/出来事

臉紅了

2006年5月2日

 5月連休を間近に控えた日曜日の午後、日本へ一次帰国するので大連開発区にある、歩いて2〜3分の麦凱楽へ買い物に出かけた。大連にはこれといった特産物が少ないので、土産物には普段から注意してよく観察しておかないと、さっと行ってさっと見つけるというのがむずかしい。

 麦凱楽の1階でなかなかいい土産物が見つかったのでそれを買うことにした。若い娘さんが二人応対にでてきた。一人はめがねをかけた小柄な娘さん。もう一人は背の高いめがねなしの娘さん。はじめは例によって見て回るわたしのあとをずうっとついて来る。別に品物にいたずらなどするわけでもないのに、中国では服務員がまるで監視するかのようについてくる。

 こういう状況には慣れているので意に介さないでゆっくりと見て回る。値段を聞いてから値引き交渉に入った。現在、特別期間ですでに15%引きになっているのでこれ以上はできないという。それでも粘って、背の高い娘さんから端数の値引きの同意をひきだす。

 3〜4m隣にある“収銀台”へ行って先にお金を払い、領収書と伝票をもって戻ってきた。品物を箱に収めてから、背の高い娘さんが気を利かせて近くの収銀台へビニル袋を取りに行こうとした。そのとき、彼女の着ていた衣服の合わせ部が陳列ケースの突起部に引っかかってしまったのだ。

 値引き交渉では手強かった娘さんであったが、思わず「あいやー」と小さく叫んでしまった。もう一人のめがねをかけた小柄な服務員はおかしくてしようがないのか、俯いて手で口元を押さえながらくっくっくと笑っている。値引き交渉の手強さとちがってかわいらしい声を出してしまった娘さんの表情がおかしくてわたしもつい笑い出してしまった。

 その手強かった娘さんが“収銀台”からビニル袋をもって帰ってくる顔色をみてびっくり。彼女の顔色が真っ赤になっているのだ。純情可憐といったところである。

 わたしが彼女の顔を見ながら“臉紅了”とからかうと本人も“臉紅了”と返しながら、さらに顔が赤くなっていくのを見て、なんてかわいらしい娘さんなのだろうと、小さいころよくからかった同じような光景を思い出してしまった。めがねの服務員はさらに赤くなった背の高い娘さんをみて、これまた笑いが止まらないといった様子なのだ。

 麦凱楽という百貨店は買い物をすると、なぜかいつもこのような思い出を残してくれる店である。こんど行ったときはあの娘さんに謝っておかないといけないな。少しからかい過ぎたようだ。

【註】
  収銀台 shouyin tai ショウイン タイ お金を払うところ
  臉紅了 lian hong le リエン ホン ラ 顔が赤くなってるよ。顔が赤くなった。