ふいちゃんの中国日記

社会編/経済

日本語検定

2006年5月5日

大連の日本語熱は中国のなかで群を抜いている。
中国では毎年1回、日本語能力検定試験が実施されており、申し込みはインターネットで行うようになっている。
ランクは4級、3級、2級、1級で、1級が最上位のレベルである。
今年は4月17日が1級、24日が2級の申し込み日であった。
試験日は12月である。

2級合格者の人々と接した経験で言えば、2級のレベルは範囲がかなり広く、日常会話がほとんど困らないレベルから簡単な日本語しかわからない程度まであるように感じる。
1級の試験問題というのを見せてもらったことがある。
わたしが使ったことのない単語や日本では一般にはまず使われないだろうと思われる漢字なども出題されており、素人の日本人からみると不思議に感じる試験問題もある。

申し込み結果はインターネットで公表されており、全国的な傾向を把握することができる。
それによると申込み人数は以下の通りになっている。

   地域       1級     2級     備 考
   北京       8525  7845    会場:8箇所
   上海     10000 12100    会場:7箇所
   大連      7000  6150   会場:3箇所
   合計     25525 26115
  中国全体   74075 75255   会場:58箇所
  占有率     34.5%   34.7%     31.0%

申し込み数上位の北京、上海、大連が全体の1/3強占めている。試験会場は全国で58箇所、そのうち、北京は8箇所、上海は7箇所、大連は3箇所で合計18箇所(31.0%)となっている。

人口の割合から言えば大連は、中国政府直轄都市である北京や上海の3〜4割くらいと思われるから、人口比率で判断すれば大連の申し込みが群を抜いていることが容易に理解できる。
これは大連で日本語を勉強している人の比率が非常に高いということを物語っている。

大連では2級の申し込み者が予定を大幅に上回り、会場不足のため瀋陽や北京で受験せざるを得ない人も出ている。
現にわたしの知っているある人は今年の12月に北京へ行って受験する申し込みになっている。

以前、広州で日本語通訳を探すとき大連で募集する話や、桂林から日本語を勉強にきている話を紹介したが、「日本語と言えば大連」という結びつきが中国の多くの人々に知られているのはこういう数字からもなるほどとうなづける。

日本企業が大連よりもさらに多く進出している他の地域もあるのに、大連がなぜこんなに日本語を勉強している人が多いのか、複合的な要因があると思う。
いずれにしろこれは大連の一大特色であり、「文化を発信する都市」としての方向に合致している。

行政がこれを後押しする方策を強力に打ち出せば大連の特色作りはさらに加速されるであろう。