ふいちゃんの中国日記

社会編/経済

3次元CAD

2006年8月30日

導入が遅れるほど最新技術の導入が早い結果になっている。携帯電話もそうである。
10年以上前、中国では一般家庭にはまだ電話があまり普及していなかった。
世の中に携帯電話が出現してから中国では携帯電話があっという間に広まっていった。
その普及率は日本を超えているのでないかと思えるほどである。
もち運びが楽で使うに便利な道具が大衆に受け入れられたということであろう。

コンピューターの導入もそうである。
12年ほど前、日本でコンピューターがすでに普及していたころ中国はまだ少なく、コンピューターの中国への持ち込み自体が容易にできなかった。
当時は3次元CADがまだなかったか、もしくは非常に高価だったのであろう、日本では、2次元CADが普及した。
ところが現在では中国でもコンピューターの普及が進んで、職場でもなんら珍しいものではなくなり、仕事上不可欠な工具になっている。だから今ではコンピューターの持ち込みは何のお咎めもなくなっている。

中国でコンピューターが職場に普及しだしたころ、既に3次元CADがあったので中国では3次元CADから普及した。
とは言え、普及の大きな要因の一つにソフトの安価な海賊版があげられかもしれない。
これが日本のように高価であれば導入も簡単ではないかもしれないが、なにせあらゆるソフトがと言っていいほど海賊版があるから使うほうは安上がりである。
海賊版3次元CADソフトがいくらか、正確にはわからないが日本円にして1000円以下である可能性が高い。
立場上、政府関係の部門はソフトの正式版を使わなければならないが、私企業はそこまで律儀なところはないということかもしれない。

いずれにしろ、中国の図面はほとんどすべてといっていいほど3次元CADで設計されている。
だから金型見積で日本の図面(2次元)を提出するといつも3次元図面はないかと聞かれる。

3次元CADでは立体的に図面が作成されるので見ると非常に解りやすい。
しかもさまざまな切り口から断面が見られるので構造の理解が容易である。
最近は日本でも3次元CADを導入しているところが増えているが、そういう場合はE-mailで図面を送ってきてそのまま金型図面作成に使えるので便利である。
日本の従来の図面は圧倒的多数で2次元の三角法で設計されているので、まだしばらくは金型メーカーでの3次元化作業が続きそうである。