ふいちゃんの中国日記

仕事編

3人娘

2006年5月8日

わたしが密かに3人娘と呼んでいる娘さんたちがいる。
K嬢、Q嬢、C嬢である。
同じ会社に勤め、同じ寮の同じ部屋に住んでいる。
K嬢は日本語が達者で、なかなか気が強く、負けず嫌いであるが、根はやさしい娘さんである。
仕事はよくできて頼もしい存在で、成長株である。
この3人娘は仕事もよく頑張っていて残業していることも多い。
あしたの土曜日は休日という前日、この3人娘が揃ってサッサと定時で帰っていった。
ふむふむ、3人娘はきょうはなにか予定がありそうだな、という雰囲気で。

わたしはちょっとした用があって3人娘のひとりC嬢へ電話しようとしたが、携帯電話番号を知らないことに気づき、わたしの携帯電話に登録されているQ嬢へ電話した。
「ひょっとしてC嬢は近くにいるかい。」
「います。」
「じゃあ、ちょっと替わって。」
案の定いた。
「来週でいいけど、○○○の調査を頼むよ。」
「はい、わかりました。」
「ところでどこかへいくところ。」
「金州桃園へいくところです。」

3日後の月曜日、Q嬢が伝票のサインを求めにやってきたので、ちょっと聞いてみた。
「桃園ってどんなところ。」
「お風呂屋さんです。」
「ああ、そうなんだ。3人でお風呂へ行っていたところだったのだ。」
「はい。」
「ところで中国の公衆浴場ってどんな様子。日本と同じなのかねえ。」
「いえ、違うと思います。」
「日本では大きな浴槽があって、そこへみんな裸で入るよ。」
「男の方はそのようです。女の方は違います。」
「どんなふうに違うの。」
「女の方はシャワーだけです。」
「ヘエー、なぜ女の方は浴槽がないのかねえ。」
「わかりません。日本はシャワーはありますか。」
「あるよ。だけど、日本では頭を洗ったり、すすぎ湯的に使うことが多いね。もし、日本の公衆浴場にはいる機会があるときはタオルを中に入れてはいけないよ。」
「どうしてですか。」
「衛生上の理由だね。」
「まず、洗うべきところを洗ってから浴槽に入る。タオルは使えないから手タオルになるね。」
「手タオルって何ですか。」
「大勢のひとがいるだろう。だから、手でタオル代わりにオッパイと下のほうを隠すことだよ。」
とパッパと手動作で説明。
「でも週刊誌によると、最近の若いひとはどこも覆わないで入るひとが多いらしいよ。」
と言っているうちに何だか様子がヘンなのでQ嬢の顔を見たら顔が真っ赤になっているではないか。
やばい、またまずいことを言ったようだ。

その夜、知り合いの中国人女性に電話で聞いてみたら案の定
「それはまずいです。その人はまだ結婚前の娘さんでしょう。」
「うん、そうだよ。」
「そういうことは中国の娘さんの前では言ってはいけません。あしたからその娘さんはあなたに距離を置くかもわかりませんよ。」
と言われて、なるほどと深く反省。

だが、翌日以降、注意して観察していたが特別距離ができた感じはなく、Q嬢はいつものようにわたしに接してくれたのでホッと安心。
口は災いのもと。気をつけなければ。
電話して気がついたのだが、このQ嬢の携帯電話の着メロはわたしの大好きな「両只蝴蝶」であった。