ふいちゃんの中国日記

仕事編

ウレタン

2006年5月26日

注型用のウレタン樹脂が必要になってきた。
注型用のシリコン樹脂は使っているので、これと同じような使い方をして、ただ、樹脂がウレタンという種類に変わるだけなので、とにかくウレタンを探せと担当者に当たってもらった。

担当者の結論は“没有”。
日本だと簡単に入手できる材料だが、ここ大連では容易でないようだ。
「有人ロケットを打ち上げられる国なのだから、ある筈だ。探せ。」とさらに調査を続行させた。
「インターネットで調べたら見つかった」と報告にやってきた。だが、聞いてみると、なんとウレタンのシートである。
中国ではこのような固体のウレタンしかないと主張する。

「これを薬品と混ぜて柔らかくして注型すればいいではありませんか。」
「今のシリコンはどうなっているのか知っているのかい。」
「知っています。固体のシリコンを温度をあげて柔らかくしてから注入しています。」
「馬鹿なことをいうものではないよ。実際に現場へ行ってみてきなさい。シリコンをどこに保管しているか知っているか。」
「知りません。」
「すぐそこの冷蔵庫に保管してあるから見て来なさい。あれは化学反応を抑制するために冷蔵庫に保管しているので、そのため粘度が低くなっているだけで、もともとから液体だよ。とにかく、固体のウレタンなど使えないから、そんな意味のない調査は止めなさい。」

翌日、また、報告にやってきた。
「材料のCAS NO.がわかりました。これです。」
とプリントした資料を持ってきた。
「これは液体かい。」
「いいえ、きのうの固体です。」
「きのう、固体では使いようがないから、そんな方面でなく液体のウレタンを探せといったのに何をやっているのだ。」
「しかし、中国にはこのような固体の物しかありません。」
「わかった。もういい、あなたは今後この調査はしなくていい。」

こうして注型用のウレタン樹脂もわたしが調査することになった。