ふいちゃんの中国日記

生活編/気をつけよう

思ってもみなかった

2006年6月7日

大連のサクランボは今が旬である。
6月に入って、開発区の人通りの多いところでは至るところサクランボの露天売りを見かけるようになった。
小粒の場合は1斤6.5元、大粒になると8元〜10元である。

日曜日、散歩の帰りに知り合いのカラオケお嬢さんにバッタリ出会った。
通りの露店の中から、人の良さそうなおばさんを選んでサクランボを買うことにした。
値段を聞くと1斤8元という。
秤は例によって竿秤である。

2斤ずつ買うことを伝えた。
1袋はカラオケお嬢さんへ、もう1袋はわたし用である。
おばさんは山盛りに盛られたカゴの中から手でゴサゴサとビニル袋へ入れる。
どんどん入れていくので、「ああ、そのくらいでいいよ。」と止める。
量ったら2袋とも2.5斤というので5斤で40元を支払う。

先回の草苺で量をかなりごまかされたので、きょうは例の小型高精度バネ秤をポケットに入れていた。
帰りながら「実はこういう物を持っているのだよ」とおもむろにバネ秤を取りだして見せる。
「きっと量がかなり少ないよ。」と言いながら量ってみたら1袋は2斤、もう1袋は1.5斤しかなかった。
合計で1.5斤も違っていた。
金額にして12元のボロ儲け。
こういう商売のやり方で一度味をしめたら、もう止められないのだろうなと思う。

すぐに引き返しておばさんにクレームをつけることにした。
だが、このおばさんは人が良さそうどころか、かなり手強かった。
2斤の方はこの秤では2.5斤あると言って譲らなかった。
しかも1.5斤の方はあっさり不足を認めたものの、これも2斤あると言って譲らなかった。
つまり、このおばさんの秤は0.5斤かさ上げされていたことになる。
けっきょく、このおばさんは0.5斤分の4元を返してくれただけだった。

歩きながら、「あのおばさん、まさか客がバネ秤を持っていたなんて“思ってもみなかった”だろうなあ」と言ったら、お嬢さんは「まさか量をごまかすなんて“思ってもみなかった“」と驚いた様子である。
しかし、わたしは、「中国の実際の状況は露店の竿秤売りは99%そうだよ」と説明せざるを得なかった。

私の経験では海南島でバナナを買ったときに1回だけ正しい秤量であったからだ。
あのとき、本来当り前である筈のことが「ほう、珍しい。こういう正直なおばさんもいるのだ」と感激したことを思い出す。